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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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日常編
  溜まっていく戦闘欲求

 
前書き
漫画版全然進展しないから書きたかった日常編書いていこうかなと。

今回はナメック星のフリーザ戦から少ししたくらいの時期。 

 
フリーザとの闘いから数週間が経過し、ナメック星から脱出した悟林達は平和な時間を過ごしていた。

「ふわああ…」

ナメック星での闘いで一度死んだ悟林は欠伸をしながら暇を持て余していた。

悟林は悟飯のように勉強は好きではないし、強い相手と闘いたい欲求があるのだが、最適な相手はピッコロとベジータだろうがベジータはそこまで親しいわけではないし、ピッコロもナメック星人の人々との別れもあって少し思うところがあるかもしれない。

クリリンとは実力がかけ離れてしまったし、天津飯と餃子は場所が分からず、ヤムチャは相手にならないだろう。

ヤムチャが強いのは分かるのだが、サイヤ人との闘いで見せられた栽培マンとの闘いの結末を見せつけられた後ではどうもその気にならない。

「ピッコロさんのとこに遊びに行こうかなぁ?あ、そうだ。悟飯がいるじゃない!!」

同じサイヤ人混血の双子の弟がいるではないかと思い出して悟飯の部屋に入ると何時外に出ているのか分からない弟を誘う。

「ねえ、悟飯。お姉ちゃんと組み手しよう!!」

「え?ええ…今、僕勉強してるし…それにフリーザも倒したから悪いことする人もいないんだよ?」

「あ・の・ね~!ナメック星のお父さん見て悟飯は何も思わなかったわけ!?あんな風に強くなりたいとか思わなかったの!?」

「そ、それは…凄いなぁ…って思ったけど…」

確かに父の超サイヤ人は凄いと思ったが、武道家気質ではない悟飯にとって凄い以外の感想が出てこないのだ。

「それに悟飯!丸1日部屋に籠ってるじゃん!!少しくらい外に出たらどうなの?私が組み手の相手したげるから外に出るよ!!」

「う、うわあっ!!?」

首根っこを掴まれた悟飯は強制的に外に連れ出され、早速組み手を始めたのだが、ここですっかり忘れていたことがある。

結果としてフリーザには殺されてしまったが、フリーザと闘った時の悟林は軽く見積もっても200万オーバーであり、精々十数万が限度な悟飯とでは恐竜と蟻ほどの実力差がある。

「行っくよーーーっ!!悟飯ーーーっ!!」

拳に気を収束させた一撃を猛スピードで突撃させながら突っ込む悟林。

そしてナメック星から帰ってきてから修行をろくにしていない悟飯にそんな攻撃を防ぐこともかわすことも出来るわけがなくまともに喰らって盛大に吹っ飛んでしまう。

「へ…?」

回避も防御も取れずに吹き飛び、ピクピクと痙攣している悟飯にやばいと感じる前に呆れが勝ってしまう。

「おーい、悟飯?ちょっと情けないんじゃないの?」

頭を掻きながら一撃で沈んでしまった弟に悟林は困ったような表情を浮かべる。

「何だべ!?この音は!?」

何事かと飛び出したチチはボロボロになっている悟飯と困ったように頭を掻いている悟林を見て全てを察した。

「悟林ちゃーーーんっ!!」

勉強を妨害した挙げ句、大怪我までさせたことにチチの怒声がパオズ山に響き渡り、あまり怒声に獣が逃げ出す始末だ。

「えーっと、お母さん?私はちょっと体を動かそうと悟飯を誘って組み手しようとしたら悟飯があまりに弱かったから…うん、手加減間違えました。ごめんなさい、悟飯の弱さを甘く見てました」

自分の弟なのだから大丈夫と思っていた悟林だが、もう少し悟飯の評価を下方修正しようと心に決めた。

「取り敢えず仙豆貰ってくるから」

カリン塔に行って仙豆を1粒貰い、気絶している悟飯の口を抉じ開けて仙豆を喉の奥へと押し込んで強引に飲み込ませる。

「ゲホゲホッ!!」

仙豆を無理やり押し込まれた悟飯は何とか仙豆を飲み込んだ。

「治った?全くもう、悟飯…これくらいでダウンとか情けないんじゃないの?」

「だ、だって僕…武道家じゃなくて学者になりたいし、本当なら闘いなんかやりたくないんだよ。それに悪い奴もいないんだし、修行なんかしても意味ないじゃない」

悟飯からすれば悪い奴も闘う理由もないのだから修行をしても何の意味もない。

「悟飯…そんなこと言って後悔しても知らないよ?もし敵が来て殺されてもそれは悟飯の自業自得なんだからね」

悟飯の発言に呆れてしまった悟林は悟飯を組み手相手にするのを止めて一番実力が近いベジータの元に向かうのであった。

自分の実力の底上げに、そして力を高めて父親のように超サイヤ人になるために。

カプセルコーポレーションに向かうとベジータは外でブルマとヤムチャ達と食事を摂っており、悟林が降り立つとブルマとヤムチャが反応した。

「あら、悟林ちゃんじゃない」

「どうしたんだ?ブルマに用事か?」

「ベジータさんに用事があるんだ」

「「え?」」

黙々と食べているベジータに歩み寄り、ブルマとヤムチャは慌てて止めようとする。

ベジータをあまり刺激して欲しくなかったからだ。

「ベジータさん」

「…何だ」

口の中の物を飲み込んだベジータが悟林を横目で見る。

「組み手しようよ!相手がいないんだ!!」

「ふざけるな、何故俺が下級戦士一族と」

本来ならベジータはサイヤ人の王子であり、悟林は底辺の下級戦士の一族であるため雲の上の存在である王族と手合わせなどあり得ない。

しかし、戦闘欲求が溜まっている悟林にそんなこと関係ないため、言葉よりも分かりやすいであろう拳で語ろうとする。

幼い子供からとはとても思えない猛スピードで放たれた拳をベジータは片手で軽々と受け止める。

ヤムチャは悟林の拳の重さと鋭さに、そしてそれを軽々と受け止めるベジータに驚愕した。

「へえ、結構本気でやったのになぁ」

「当たり前だ、貴様ごときの不意打ちなど当たるか。だが、カカロットとの闘いの前のウォーミングアップにはなりそうだ」

やはりサイヤ人との会話は拳の方が早い。

悟林はニヤリと笑ってやる気になってくれたベジータと向かい合い、舞空術で上空に移動すると構えた。

「行っくぞーーーっ!!」

「ふんっ!!」

互いに気を解放して拳をぶつけると下にいるブルマとヤムチャが衝撃で吹き飛ぶが、悟林とベジータは構わず拳と蹴りをぶつけ合う。

ベジータの回し蹴りを腕で受け止めると痛みと熱を感じるが、それがとても心地良い。

何故悟飯がこれを嫌がるのか全く理解出来ない。

「俺との手合わせで笑うなど随分余裕だな?」

「ベジータさんこそ楽しそうで何よりだよ」

ベジータも好戦的な笑みを浮かべて悟林の猛攻を捌いており、2人の攻防はどんどんヒートアップしていく。

「あんた達ーーーっ!!止めなさーいっ!!」

「「うるさいっ!!」」

楽しい時間に水を差すような言葉に反射的に返すと互いに気功波をぶつけ合うと爆発が起こる。

同時に動いた2人は激しい乱打戦に持ち込む。

互いを傷付けながら獰猛な笑みを浮かべる2人にこれ以上はまずいと判断したヤムチャは間に割って入ろうとする。

「「はああああああっ!!」」

「ほげえっ!?」

全力の拳を繰り出した瞬間、ヤムチャが割って入ってヤムチャの頬に2人の拳がめり込んだ。

「「なっ!?」」

驚いた2人が拳を下ろすとヤムチャが地面に落下し、気絶する。

「チッ、興醒めだ」

「もうっ!良いとこだったのにっ!!」

邪魔が入ったことでベジータは興醒めしたのか地上に降り、悟林も不満そうに降下した。

「あんた達何考えてんのよ!こんなとこで暴れて!!」

「フンッ」

「むうっ」

ブルマが噛み付くがベジータは顔を背け、悟林は組み手を無理やり中断させられたことに不満そうである。

「悟林ちゃん、そんなに強くなってどうすんのよ。強くなりすぎたら嫁の貰い手がいなくなっちゃうわよ」

「要らないよそんなの」

恋愛とか結婚も興味ない悟林からすれば母親が口酸っぱく言ってくる嫁の貰い手云々は面倒なことこの上ない話題だった。

「サイヤ人は恋愛などと言う甘ったるいことはせんのだ。」

「そうなの?」

「基本的にサイヤ人が結婚するのは種の存続のためだ。特に下級戦士は基本的に戦闘力が低いからな、損失のことも考えて常に戦力の補充を考えねばならんのだ。」

「…サイヤ人って…本っ当に冷めてんのねぇ…」

大体は恋愛をして結婚する地球人と比べてサイヤ人の恋愛事情は果てしなく冷めていると言わざるを得ない。

それどころか結婚を種の存続のため、戦力の補充のための行為としているのが生々しい。

「…はあ、仕方ないや。もう帰る…迷惑かけてごめんねブルマさん」

やる気が削がれたので悟林は戦闘の欲求不満を抱えながら自宅に帰るのであった。

少しずつ悟林の思考がサイヤ人へと近付いていき、戦闘欲求を募らせていくのであった。 
 

 
後書き
過去の日常編とか色々書いていこうかな。 
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