神々の塔
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第七十六話 大天使その十三
「神霊さん達も同じでや」
「天使長さん達もやね」
「そやから僕等はな」
「これまでの天使長さん達との戦と同じで」
「光には光やない」
「光も苦手な属性がある」
そうだというのだ。
「相反するな」
「その属性を身に着ける」
「それも極めて強くな」
「そうして戦うね」
「そうしたらな」
「めっちゃ強い方々やけど」
「勝てる」
芥川は確かな顔と声で答えた。
「絶対な、逆に言えばな」
「光だけはあかんね」
「この世界同じ属性で戦ってもな」
「効果薄いね」
「しかも天使さんみたいにや」
「光が強いと」
「もうな」
それこそというのだ。
「光属性で攻撃してもな」
「ダメージ与えられへんね」
「殆どな」
そうだというのだ。
「そやからな」
「光はあかんね」
「光と相反するのは何と言ってもや」
「闇やね」
「この属性を強く備えてな」
そうしてというのだ。
「そのうえでや」
「戦うんやね」
「そや」
まさにというのだ。
「ここは」
「ほなね」
「十人全員が強い闇属性を備えて」
そうしてというのだ。
「戦うで」
「そうしよね」
「弱点を衝く」
極めて冷静にだ、芥川は述べた。
「それこそがや」
「戦に勝つ手段やね」
「それで今回も戦うで」
「ほなね」
綾乃も頷いた、そうしてだった。
一行は芥川の言う通りに戦った、天使長達を闇属性で破っていった、彼等は確かに強かった。だがそれでもだった。
「それでいいのだ」
「この戦い方で、ですね」
「そうだ」
戦の後でだ、ミカエルは綾乃に言った。
「敵の弱点を衝いてだ」
「そうして戦ってですね」
「いいのだ、それにだ」
ミカエルはさらに言った、もう全ての天使長達は倒されそのうえで後ろに控えている。皆一行を温かい目で見ている。
「我等は強いな」
「その強い相手にですね」
「どうして向かう」
「そのことを考えますと」
「思慮なくして勝てるか」
ミカエルは言った。
「そして知恵なくして」
「勝てませんね」
「そうだな」
「何があろうとも」
「だからこそだ」
それ故にというのだ。
「敵の弱点を知りだ」
「そこを衝く」
「そうした戦の仕方はだ」
それはというのだ。
「非常にだ」
「ええんですね」
「そうだ」
綾乃に微笑んで告げた。
「非常にいい、ではな」
「これからもですね」
「先に進め、そして踏破してだ」
「力を得て」
「それからだ」
あらためてというのだった。
「この世を救うのだ」
「そうさせてもらいます」
「我々は常に見守っている」
ミカエルはこうも言った。
「信じる神霊は違ってもだ」
「人と世界をですか」
「全てをな、だからな」
「うち等は得た力で」
「この世界を救うのだ、いいな」
「そうさせてもらいます」
是非にとだ、確かな顔で頷いてだった。
綾乃は仲間達に一旦宿屋に戻ろうと話した、そしてそこでゆっくりと休み上の階に向かったのだった。
塔は残り一割を切った、一行はそこに希望も見て先に進むのだった。
第七十六話 完
2024・6・1
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