| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百三十七話 閉会式が終わってその十一

「よくそういうのを使ったお料理をね」
「造ってくれてるんだな」
「今みたいにね」
「そうなんだな」
「だからどんどん食べてね」
「身体にいいし美味いからか」
「精がつくわよ」
 かな恵は笑ってこうも言った。
「実際にね」
「ついてもしないでおこうな」
「理性で抑えるのね」
「ギリシア神話みたいにやったらな」
 その理性なくというのだ。
「後が大変だろ」
「そうよね」
「子供出来てもな」 
 そうなろうともというのだ。
「育てられないだろ」
「そうよね」
 かな恵も頷いた。
「どう考えても」
「お金だよ」
「大事なのはね」
「お金がないと何も出来ないのは事実だよな」
「世の中ってね」
「だからお金の為にはな」
「働かないとね」
「絶対にな、それでな」
 鳴海はさらに言った。
「俺もそうしたことはな」
「結婚してからね」
「就職してな、最低でもな」
「大学に入ってから」
「そう決めてるんだよ」
「私もよ。ただね」
 かな恵は自分のコップに入れた酒を飲んだ、味はコーラでしかも酔う炭酸の強いそれを飲んでから鳴海に言った。
「そうしたことしないってことは普段は」
「何が言いたいんだよ」
「だから自分で」
「言う必要ないだろ」 
 鳴海はかな恵の今の言葉に憮然として返した。
「誰だってな」
「そうするわよね」
「そうだよ、女の子もだよな」
「言う必要ないわよね」
 鳴海の言葉をほぼそのまま返した。
「やっぱり」
「いいよ」
 鳴海はラーメンの鍋の中の野菜とハムの残りをほぼ全て自分の碗に入れた、それ等を食べつつかな恵に答えた。
「別にな」
「誰だってね」
 ここでも鳴海の言葉そのままだった。
「そこはね」
「そうだよな」
「そういうことね」
「悪くないだろ」
「むしろそれで済んだら」
「いいだろ」
「そうよね」
「変なことするよりはな」 
 それよりもというのだ。
「まだな」
「いいわね」
「見られたら恥ずかしくてな」 
 そうしたことでというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧