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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その三十八

「ボツワナ軍に入ってな」
「曹長はそっち出身でしたね」
「そこで三年で辞めるつもりだったんだよ」
「任期が終われば」
「入隊した時はな、けれどな」
「続けたんですか」
「やっぱり安定した収入あるしな」
 軍隊にいればというのだ。
「それでもう一期やってたら下士官になれそうだったしな」
「だから残ってですか」
「それでやっていってるうちに結婚して子供も出来てな」
「続けていったんですね」
「それで連合軍出来たらな」
「そっちに行って」
「今ここにいるんだよ」
 兵士に今の勝負は負けたとジェスチャーで示しながら答えた、そうしつつまた勝負の用意を二人でしている。
「こうしてな」
「そうでしたか」
「軍隊も肌に合うとな」
 それならというのだ。
「悪いものじゃなくてな」
「それで、ですか」
「ずっといるんだよ」
「そうなんですね」
「戦争がないとな」
「軍隊は訓練と日常作業だけで」
「いいしな、まあ戦争はあったけれどな」
 曹長は笑って話した。
「エウロパとな」
「あの戦争ですね」
「俺も行ったしな」
 そのエウロパとの戦争にというのだ。
「幸い乗ってる巡洋艦は攻撃一つ受けなかったけれどな」
「それはよかったですね」
「ああ、まあボツワナ軍にいた時から海賊討伐はあったな」
 戦争はなかったがこの仕事はあったというのだ。
「一回な」
「ボツワナにも出たんですね、海賊」
「基本国境の外に多いんだけれどな」
 それでもというのだ。
「ボツワナでも出ていてな」
「それでなんですか」
「一回ボツワナ軍でもな」
「海賊討伐の仕事があって」
「それでな」
「そっちも参加しましたか」
「海賊っていっても小規模だったからな」 
 曹長はカードを選びながら話した、今度のカードは合わせて十五でまた負けるのかと内心思ったが言わなかった。言えばトランプは負けだからだ。
「損害も出ずにな」
「終わったんですか」
「ああ」
「それはよかったですね」 
 兵士のカードは合わせて十四だ、絶対に一枚代えると決意しながら応えた。
「曹長にとっても」
「何もなくてな」
「ええ、本当に」
「戦争とかになってもな」
「死ななかったらですね」
「最高だよな」
「ええ、やっぱり」
 こう曹長に返した。
「そのことは」
「本当にな」
「そうですよね、今の仕事も」
「観戦武官乗せている船でな」
「安全な場所にいますから」
 戦場を観るがというのだ。 
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