八条学園騒動記

「それは」
「そしてです」　
　そのうえでというのだ。
「やがては天国に行けます。しかし」
「悪事があまりにも大きいとか」
「地獄に堕ちます」
「そしてずっと苦しむか」
「そうなります」
　セーラはダンにはっきりとした口調で答えた。
「そうなります」
「そうなんだな」
「ですが」
　それでもというのだった。
「やはりそこまでの悪人もです」
「いるな」
「世の中には」
「そうよね、餓鬼になる人もいれば」
　エイミーも言ってきた。
「地獄に堕ちる人もね」
「世の中にはいます」
「そうよね」
「どちらも嫌ですね」
「ええ、ただどちらがより嫌かというと」　
　二者択一、そうなるとというのだ。
「私はまだ地獄の方がね」
「いいですか」
「だって餓鬼はね」
　この存在はというと。
「今お話している人みたいになるってことだし」
「人ですらなくなっている」
「もうとことん浅ましくて」　
　そうしてというのだ。
「恥知らずな人がなるのよね」
「まさに」
　セーラもその通りだと答えた。
「今お話している通りに」
「そうなること自体がね」
「嫌ですか」
「悪いことするのも嫌だけれど」
　それ以上にというのだ。
「そうした風になることの方がね」
「そうですか」
「人ですらなくなる」
　身体は人間でも心が餓鬼になることはというのだ。
「もうね」
「そうなることはですね」
「論外で」
　そうであってというのだ。
「絶対にね」
「お嫌ですね」
「かなりね」
　そうだというのだ。
「地獄よりもね、浅ましく恥知らずになるって」
「そのことがですか」
「本当にね」
　全く以てというのだ。
「嫌だから」
「汚れるということでしょうか」
「ああ、そうね」
　エイミーも言われて頷いた。
「言われてみると」
「そう考えられますね」
「地獄は悪事だけれど」
「餓鬼は穢れですね」
「連合って結構ね」
　自分達の国はというのだ。
「清潔さにね」
「厳しいですね」
「よく手を洗えお風呂に入れてね」
「教育されますね」
「掃除も徹底して」
「清潔に、ですね」
「清掃業も盛んだしね」
　そちらの業種もというのだ。
「宗教でもね」
「清潔さが貴ばれますね」
「身体を清めて」
　そうしてというのだ。
「そしてね」
「場所もですね」
「奇麗にしろってね」　
　その様にというのだ。