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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その二十九

「エウロパ軍の宇宙通信もな」
「ありましたか」
「ではですね」
「エウロパ軍もいますか」
「マウリア軍の艦艇には」
「その様だ、マウリア軍のものと酷似していて非常にわかりにくかったそうだが」
 エウロパ軍の宇宙通信はというのだ。
「しかしだ」
「確かにエウロパ軍のもので」
「それを確認出来た」
「そうなのですね」
「そうだ、しかしマウリアが認めるか」
 この国がというのだ。
「その筈もない、通信も間違いだったとな」
「マウリアからエウロパのものであり」
「あれはあくまでマウリアのものである」
「そう言えますね」
「あえてエウロパの通信を使っただの」
「エウロパに送る為にな、あの国はエウロパとも友好国だ」
 連合とそうであるだけでなくというのだ。
「だから何とでもな」
「そこは言えますね」
「言い繕えますね」
「そして知らぬ存ぜぬですね」
「そうしていけますね」
「そうだ、実際にエウロパ軍はこれまでどうして観戦してきたか」
 国交のないサハラにおいてというのだ、エウロパのサハラ侵攻以降サハラ各国はエウロパとの国交を断絶しているのだ。
「それを考えるとな」
「マウリアの助けを借りてですね」
「あの国の艦艇に同乗させてもらい」
「そうして観戦してきましたね」
「そうでしたね」
「それしかないしな、これまでも公然の秘密だったし」
 わかっているがわかっていない、そうなっていたというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「今回もですね」
「マウリア軍の艦艇には彼等もいますね」
「左様ですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そしてそれをおおっぴらに言うことはな」
「しないことですね」
「エウロパ軍の観戦武官がいても」
「それでもですね」
「直接この目で見れば違うが」
 はっきりとした証拠を掴めなばというのだ。
「そうでないならな」
「それならですね」
「仕方ないですね」
「その場合は」
「それなら」
「そうだ」
 艦長も言うことだった。
「それに我々に何かしてくるかというとな」
「違いますね」
「彼等も観戦しています」
「あくまでそれだけで」
「それ以外のことはしていないですね」
「それも全く」
「ならわかっていてもだ」
 それでもというのだ。 
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