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神々の塔

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第七十五話 焦る気持ちその十一

「もうな」
「どんなことでもして」
「そしてや」
 そうであってというのだ。
「醜悪や」
「そうしたものやね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「始末するしかないわ」
「そういうことやね」
「博愛主義は素晴らしいが」
「そうした人は除外やね」
「屑は除外せんとな」
 今話している様な輩共はというのだ。
「ほんまな」
「除外して」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「やっていかんとな」
「世の中ええことにならへんね」
「癌細胞は取り除くことや」
「それと同じやね」
「そや、癌は取り除いてな」
「他の部分を助ける」
「癌細胞を可哀想って思うか」
「思って除かんと死ぬね」
「それと同じや、そやからな」
 だからだというのだ。
「屑はな」
「除いて」
「出来る限り健全な場所にすることや」
「そして反面教師にするんやね」
「そやから今は焦らずな」
 冷静さを保ってというのだ。
「先に進もうな」
「ほなね」
 こうした話をしながらだった。
 一行は先に進んでいった、そうしてだった。
 一行は神霊達が座している階にまで達した、するとヤルダバオトが一向に対して厳かな声で言ってきた。
「よくぞここまで来た」
「そう言ってくれますか」
「うむ、ここまで長かったな」
「そう言われるとそう感じますが」
「それでいて一瞬であったな」
「そうでした」 
 シェリルはまさにと答えた。
「振り返ると」
「それが世というものだ」
「貴方がグノーシス主義の世界で創った」
「そうだ、気が遠くなる程長くなる様でだ」
 それでいてというのだ。
「恐ろしいまでに短いものだ」
「そういうものですね」
「一生もな、そしてだ」
「はい、ここまでは長くて」
「そして短い」
「この塔でも」
「この塔のこともだ」
 まさにというのだ。
「同じだ、そしてこの塔あはその階数を考えるとな」
「あと少しですね」
「もう一割もない」
 その程度だというのだ。
「まさにな」
「そうなのですね」
「だからな」
 その為にというのだ。
「行くのだ、その為にもだ」
「貴方と戦うことですね」
「この階にいる神霊達ともな」
 ヤルダバオトは自分以外のこの階にいる神霊達を観つつシェリルに話した、見ればグノーシス主義の神霊達である。
「戦いだ」
「勝つことですね」
「そうだ、準備はいいな」
「何時でも」
「では戦おう」
 こう話してだった。
 一行はグノーシス主義の神霊達とも戦った、その最後はこの考えにおいての創造主であるヤルダバオトであったが。
 その強さにだ、攻撃を受けたダメージを最低限に抑えたアレンカールは唸る様に言った。
「やっぱりね」
「強いね」
「ええ、まともに受けたらね」 
 隣にいる綾乃に応えた。
「とんでもないことになってたわ」
「大怪我じゃ済まへんね」
「死んでるわ」
「そやね、凄い一撃やね」
 綾乃が見てもだった、その威力は。
 
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