月への逃避行
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第二章
その二人を連れ戻し強引に別れさせようとそれぞれの実家が動き追手を差し向けたがアルテミスは狼を繰り出して彼等を護った、だが。
「ギリシアはおろか地中海と黒海に面している全ての街に言うとは」
「思いませんでした」
「二人を結ばせない為にです」
「二人が街に来たら知らせる様に言い」
「また街に入れない様にする」
「それではです」
「二人は何処に行けばいいか」
二人の家が地中海それに黒海のギリシアの者達の全てのポリスに彼等が来たら自分達に知らせかつポリスに入れない様にしているのと見て困るアルテミスにだ、仕える者達が行った。
「後はフェニキア人達の場所でしょうか」
「若しくはペルシアでしょうか」
「それともエジプトでしょうか」
「そうした場所もいいですが」
アルテミスは難しい顔と声で応えた。
「そうした場所は私達オリンポスの神々とは違います」
「そうでしたね」
「我等はあくまでギリシア、ヘレネスの神々です」
「フェニキアやペルシアの神々とは違います」
「エジプトの神々とも」
「ですから我等の加護が及びません」
「そうした場所ではアテネの有力者の力も及びませんが」
そうであるがというのだ。
「しかしです」
「それでもですね」
「我々の力も及びませんね」
「アルテミス様のお力も」
「そうですね」
「ですから」
そうであるからだというのだ。
「そうした地域には」
「行かせるとですね」
「私達の力も及ばないので」
「アルテミス様も」
「よくありません、しかし」
それでもというのだ。
「まだ場所はあります」
「といいますと」
「それは何処でしょうか」
「一体」
「二人に私からそこに行っていいかお話します」
こう言ってだった、そのうえで。
実際に二人に直接話してだ、その場所に行かせた。そこは。
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