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金木犀の許嫁

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第二十七話 実家に着いてその四

「息子とも言ってくれます」
「夜空の許嫁だからね」
 二人の父は佐京にそれでと話した。
「将来夜空と結婚するなら」
「それならですか」
「もうね」
 それこそとうのだ。
「僕達の息子だよ」
「そうなりますか」
「そうだよ、娘の旦那さんになったら」
 その時はというのだ。
「僕達の息子になるよ」
「そうですか」
「義理とか関係なくね」
「俺はお二人の息子になるんですね」
「そうだよ、そして白華ちゃんも」
 白華にも言うのだった。
「佐京君の妹さんだから」
「それならですか」
「夜空それに真昼から見て義理の妹になるなら」
「お二人にとってもですか」
「娘だよ、若し真昼が結婚したら」 
 その時のことも話した。
「その人とご兄弟もね」
「子供になるのね」
「そうなるよ」
 こう真昼に答えた。
「まさにね」
「そうなんですね」
「うん、じゃあお話はこれ位にして」
 父はそれでと話した。
「準備は出来てるし」
「これからですね」
「飲んで食べよう」
「ぉ寿司以外のお料理もあるわよ」
 二人の母も言ってきた。
「お刺身に天婦羅もね」
「そういうのも買って来たの?」
「お刺身は切ってね」
 母は真昼に答えた。
「天婦羅は揚げたの」
「そうして作ってくれたの」
「それでお刺身の頭やあらからね」
「お味噌汁もなのね」
「作ったから」
「そちらも飲めるのね」
「ええ、そうよ」
「あらですか」
 佐京はそう聞いて笑った。
「いいですね」
 佐京は魚のあらと聞いて笑顔になって言った。
「実は俺も白華もお魚の頭やあら好きでして」
「そうなの」
「はい、そうなんです」
「そういえば」
 ここで夜空も言ってきた。
「私もお魚の頭とか使うけれど」
「お料理にね」
「佐京君も白華ちゃんも嬉しそうに食べるわね」
「美味しいから」 
 佐京は夜空に笑顔で答えた。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、だから」
 それでというのだ。
「嬉しいよ」
「よくね」
 夜空は佐京の話を聞いて言った。
「お魚のあらは捨てるけれど」
「そうなんだ」
「ええ、食べられないと思って」
 それでというのだ。 
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