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八条学園騒動記

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第七百六十話 あまり力を入れていなくともその九

「私は超能力や魔術で問題を解決することが多いので」
「それでか」
「探偵じゃないっていうの」
「探偵は頭脳を用いますね」
「基本はな」
「それで事件を解決するわ」
 二人もそうだと答えた。
「中には考えるより動く探偵もいるけれど」
「それでも頭は切れるな」
「そうよね、けれどセーラもね」
「頭よくないか」
「ですが魔術や超能力を使うので」
 だからだというのだ。
「探偵ではです」
「ないか」
「ならないのね」
「はい」
 そうだと言うのだった。
「私は」
「そうなんだな」
「セーラはそうなのね」
「そうです」
「魔術や超能力使ったらね」
 どうかとだ、エイミーも言った。
「ちょっと以上にね」
「探偵じゃないな」
 ダンも言った。
「もうな」
「そうよね」
「探偵ならな」
 ダンはさらに言った。
「やはりな」
「頭ね」
「それと普通の行動で以てな」
「事件を解決するわね」
「例えば事件現場の写真を観てな」
 そうしてというのだ。
「写真に隠された証拠を見出す」
「それも探偵よね」
「ダイイングメッセージがあれば」 
 探偵ものの定番の一つである、そのメッセージから真犯人や事件の真相を見破って問題を解決するのだ。
「頭を使ってメッセイーzにある謎を見破る」
「そうよね」
「そうすることがだ」
「推理ものよね」
「それを魔術や超能力を使ってな」
「見破るとね」
「もうだ」
 その時点でというのだ。
「推理ものじゃない」
「ファンタジーになるわね」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「もうな」
「セーラは探偵にはならないのね」
「それだけの知力はあると思うが」
 そうであるがというのだ。
「しかしな」
「それでもよね」
「そうしたものを用いるとな」 
 魔術や超能力をというのだ。
「駄目だ、ただ科学はな」
「使っていいわね」
「科学の知識をな」
 これをというのだ。
「使うことはいい」
「推理ものは科学よね」
「そうだ」
 ダンはまさにと答えた。
「シャーロック=ホームズ以前からな」
「科学ね」
「モルグ街の殺人にしてもな」
 推理小説のはじまりとされている、エドガー=アラン=ポーなくして推理ものは語れないと言っていい。 
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