八条学園騒動記
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第七百六十話 あまり力を入れていなくともその八
「そうします」
「冤罪はだな」
「そうです、冤罪は恐ろしいもので」
「かけられるとな」
「無実であろうとも」
それでもというのだ。
「死刑になることもです」
「あるな」
「死刑にならずとも」
それでもというのだ。
「禍を受けます、しかも」
「しかも?どうした」
「その禍は私がかけられましても」
セーラがというのだ。
「周りの人達にもです」
「ラメダスやベッキーにも」
「そんなの駄目でしょ」
テンボもジャッキーも眉を顰めさせた。
「ご本人だけじゃなくて」
「周りもなんてな」
「周りを巻き込むなんてね」
「名探偵のやることじゃないぞ」
「むしろ冤罪を晴らす」
「それが探偵だ」
「そうですね、ですが冤罪はそこまで恐ろしいのです」
セーラは怒る二人に話した。
「ですから」
「絶対にか」
「許さないのね」
「はい、そして」
それにというのだ。
「戦い」
「そしてか」
「晴らすのね」
「そうします」
絶対にというのだ。
「私は」
「そうか、戦うか」
「立派ね」
テンボとジャッキーはセーラのその言葉を聞いて言った。
「そうするなんてね」
「冤罪をかけられたらか」
「若しです」
セーラは二人にさらに話した。
「冤罪を目にしても」
「戦うんだな」
「冤罪をかけられている人達の為に」
「はい」
まさにというのだ。
「そうしてです」
「その人の冤罪を晴らすか」
「そうするのね」
「そうします」
強い返答はそのままだった。
「必ず」
「セーラは冤罪が嫌いか」
「それもかなり」
テンボとジャッキーはこのことを察した。
「そうみたいね」
「話を聞くとな」
「好き嫌いではなく」
セーラは二人に静かな口調で答えた。
「あってはならないものとです」
「思っているか」
「そうなのね」
「はい」
まさにというのだ。
「無実の人が苦しむなぞ」
「それを晴らすのも探偵だが」
「じゃあセーラも探偵?」
「その素質があるな」
「そうよね」
「そう言って頂けると嬉しいです、ですが」
セーラは二人に微笑んで述べた。
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