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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その六

「ここでは潜水艦と呼ぶ」
「それは何故でしょうか」
「潜水艦と呼ばれるのは」
「どうしてでしょうか」
「そう言った方が馴染みがあるだろう」 
 こう将帥達に話した。
「そうだな」
「言われてみますと」
「確かにそうですね」
「その方がわかりやすいですね」
「そして覚えやすいです」
「どういった兵器か」
「そうだな、だから潜水艦と呼ぶ」
 その様にするというのだ。
「その兵器をな、いいな」
「わかりました」
「ではその潜水艦を使ってですか」
「オムダーマン軍は我々の防衛ラインを破ってきましたか」
「そうしてきたのですか」
「潜水艦は元々そうした役割の艦艇だな」
 シャイターンは言った。
「隠密行動そして奇襲がな」
「はい、海底に潜んでの哨戒もありますが」
「戦闘時はそちらです」
「そちらが主な任務になります」
「戦闘においては」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「オムダーマン軍もだ」
「そうしてですね」
「我々を攻撃して」
「二つの防衛ラインを突破し」
「そうして今に至りますか」
「貴官達ならだ」
 シャイターン達は将帥達に話した。
「オムダーマン軍の通常艦艇がそのまま攻撃してきても防げたな」
「はい、その自信がありました」
「閣下がご不在でも」
「オムダーマン軍の見えている戦力ならです」
「劣勢になろうとも」
 それでもとだ、将帥達も答えた。
「凌ぐことは出来ました」
「絶対の自信がありました」
「第二次防衛ラインどころか国境で防げました」
「その自信がありました」
「そうだ、貴官達なら出来た」
 そうだったというのだ、これは彼等をそれぞれの役職に任命したシャイターン自身の偽らざる言葉である。
「必ずな」
「左様ですね」
「我々もそう思っていました」
「必ず凌げると」
「そうでした」
「だが思わぬ場所から突如魚雷攻撃を受け続け」
 シャイターンは戦闘の経緯の報告を読みながら話した。
「そしてだな」
「基地も戦力も大きな打撃を受け」
「そこをオムダーマン軍に攻められ」
「そしてでした」
「そのうえで防衛ラインを突破されました」
「そうだったな、確かに思わぬ方向から攻撃を受けている」
 それも有り得ない方角からだ。
「自軍の陣地内からな」
「そうなっていました」
「だから我々も信じられませんでした」
「味方の裏切りも考えました」
「まさかと思いながら」
「そうだな、有り得ないことだ」 
 シャイターンは報告を読み続けながらさらに話した。 
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