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おぢばにおかえり

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第八十二話 三人でのひのきしんその八

「いいわね」
「さもないと周りに迷惑かけて」
「新一君自身にもよくないから」
「嫌われるからですね」
「嫌うと嫌われるわよ」 
 むっとしたお顔で言いました。
「そうなるわよ」
「やっぱりそうなりますね」
「そうよ、嫌うとね」
 人をです。
「その人も自分が嫌われてるってね」
「わかりますからね」
「それで嫌なこともされるし」
 丁度新一君がそうするみたいにです。
「自然とね」
「相手も嫌いますね」
「そうなるから」 
 だからです。
「新一君自身にもよ」
「よくないですか」
「だから嫌っても顔にも態度にも出さない」
「それ位はすることですか」
「あと全否定しないことね」
 新一君の困ったところの一つです。
「嫌っても」
「人の見方が全肯定か全否定しかないとですね」
「よくないに決まってるでしょ」
 もう言うまでもなくです。
「そりゃどうしようもない人もいるかも知れないけれど」
「社会不適格者レベルのですね」
「その表現出すこと自体がよ」
 そもそもです。
「新一君の悪いところよ」
「全否定出てますか」
「完全にね、嫌うと徹底的に嫌うのは」
 本当にです。
「新一君にとってもよくないわ」
「嫌いな相手に嫌われるだけじゃなくて」
「そんな人を露骨に嫌うのを人が見たら」
 それこそです。 
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