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夢幻水滸伝

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第三百五十七話 東部の動きその九

「麻薬や危険物、その他違法なもんの密造や販売に」
「違法行為の依頼を受けて実行する」
「違法なギャンブルもやっててな」
「そうして巨万の富を得て」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「多くの構成員も抱えてる」
「そうした者達ですね」
「ギャングもやってるしな」
「何かとですね」
「ほんまな」
 それこそというのだ。
「悪事の限りを尽くしてるわ」
「そうですね」
「それで連中も問題でな」
「この世界の危機かも知れへんと言われてますね」
「そや、しかしな」
 それでもというのだ。
「ほんまわかってへんわ」
「詳しいことは」
「どうもな、巨人軍についてはそうでな」
 メルヴィルはあらためて話した。
「巨人共はな」
「私達の勢力圏では急に出なくなりましたね」
「煙が消えるみたいにな」
「そうでしたね」
「枢軸や欧州や地下世界以外からはな」
「どうも地下世界でも出没数が急減している様ですし」
「そっちでもか、何かな」 
 メルヴィルはエミリーの今の話を聞いてあらためて言った。
「誰かが意図的にや」
「巨人を出していますか」
「出したいところにな」
「そうですか」
「ほんま災害みたいにな」
 そうした感じでというのだ。
「何時何処に出て来るかわらへんが」
「そのわからへんのは」
「わし等から見てであってな」
 そうであってというのだ。
「若し出してるもんがおったら」
「その誰かにとってはちゃいますね」
 ギンズバーグはその目を顰めさせて言った。
「出してる側にしたら」
「そやろ、もうな」
 それこそというのだ。
「正反対や」
「そうですね」
「何時何処に出すか考えてな」
「出していますね」
「若しそうした奴がおったらな」
「その場合はですね」
「地震も起こす方からしたらや」
 巨人ではなく災害であるこちらもというのだ。
「こっちは何時何処でどんな規模のものが起こるかわからへんが」
「意図的にですね」
「起こしてるしな」
「自分が望む場所で」
「そや」
 まさにというのだ。
「そうなるわ」
「そうですね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「若し巨人を出してる奴がおったら」
「自分が望む時間と場所にですね」
「その時出したいだけのな」 
 数の話もだ、メルヴィルはした。
「巨人を出してるわ」
「そうですね」
「そやからな」
 だからだというのだ。 
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