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夢幻水滸伝

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第三百五十七話 東部の動きその四

「平時のままでな」
「動いてもらいますね」
「戦時体制にはせん」
 フォークナーに強い声で言った。
「総力戦矢が出来ればな」
「短期で終わらせますね」
「そうしたいしな」
「一旦戦時体制にしますと」
「そこから戻すにも時間がかかるしや」
「手間もかかりますね」
「それで民生にも影響が出るしな」
 だからだというのだ。
「そやからな」
「それはせえへんですね」
「もう二次大戦みたいなや」
「長期の総力戦が間違いないならですね」
「戦時体制に切り替えてな」 
 勢力全体をというのだ。
「そしてや」
「国力の全てを戦に注ぎますね」
「そうする、そしてや」
「勝ちますね」
「そうするが」 
 その時はというのだ。
「しかしな」
「今はですね」
「そこまではな」
「せえへんですね」
「そうするわ」
 こう言うのだった。
「ここはな」
「そうですか」
「そしてな」
 それでというのだった。
「今は民にはや」
「このままそれぞれの仕事をしてもらいますね」
「戦のことは考えへんでな」
 そうした状況でというのだ。
「働いてもらうわ」
「そうしますね」
「そしてや」
 メルヴィルはさらに言った、語るその顔は真剣なものでありまさに政を語る顔であることが傍から見てもわかった。
「産業をな」
「このままですね」
「発展させてもらうわ」
「企業を経営してもらい」
「その企業で働いてもらってな」
「そうしてですね」
「発展してもらうわ、戦してもな」
 それでもとだ、メルヴィルはフォークナーに話した。
「やっぱりな」
「内政は必要で」
「民にはこのままや」
「働いてもらいますね」
「戦のことは考えんでな」 
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「働いてもらって」
「そしてや」
「発展してもらいますね」
「このままな」
「農業も工業も」
「そや、あらゆる産業でな」
 それぞれの仕事でというのだ。
「働いてもらうわ」
「戦は軍人だけが行う」
 セリューは一旦目を閉じた、そうしてから考える顔で述べた。
「そういうことっすね」
「そや、戦うのは軍人だけでええやろ」
「その通りっす」
 セリューは今度は真剣な顔で答えた。 
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