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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その三

 長兄の姿を見て驚いて言った。
「あの、宜しいのですか」
「今起きられたばかりと思いますが」
「五日の間意識がなかったのです」
「お休みだったのですが」
「五日も寝たのだ」
 だからだというのだ。
「それならだ」
「充分ですか」
「もうお身体は」
「だからですか」
「これよりですか」
「戦場に戻ったからな」
 それでというのだ。
「即座にだ」
「采配を執られますか」
「そうされますか」
「これより」
「そしてだ」
 そのうえでとだ、シャイターンは二人に語った。
「これまでよくやってくれた」
「申し訳ありません」
「我々は敗れました」
 弟達は兄に頭を垂れて謝罪の言葉を述べた。
「国境は破られ」
「第二次防衛ラインもそうなりました」
「そしてサマルカンド星系に向かわれています」
「そうなっています」
「アッディーン大統領だ」
 敵はというのだ。
「ならばだ」
「それならです」
「そう言われますか」
「同じレベルの数と装備ではだ」
 それならというのだ。
「互角に相手を出来るのはな」
「兄上だけですか」
「この世で」
「そうだ、私以外ではだ」
 まさにというのだ。
「無理だ、だからだ」
「我々が後れを取ったことは」
「このことはですか」
「仕方がない、そしてだ」
 シャイターンはさらに言った。
「これからはだ」
「再びですね」
「アッディーン大統領の相手はですね」
「兄上がされますね」
「そうされますね」
「さもないと勝つことは出来ない」 
 自分がアッディーンの相手をしなければというのだ、シャイターンは弟達に対して強い声で答えた。
「我がティムールはな」
「今の状況でも勝てますか」
 フラームは兄に問い返した。
「我々は」
「勝てると言えば驚くか」
「二つの防衛ラインを破られ多くの戦力を失っても」
「すぐに残る全ての予備兵力に動員をかける」
 シャイターンは命じた。
「退役している者達を含めてな」
「そうされますか」
「既に動員はかけていたが」
 そうして多くの戦力を用意していたがというのだ。 
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