星河の覇皇
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第八十七部第一章 シャイターンの復活その一
シャイターンの復活
シャイターンは目を覚ました、するとすぐに周りを目だけで見回した。そのうえで傍に気配を察して言った。
「誰だ」
「私です」
主治医が答えた。
「こちらに」
「病室の様だな」
「実はインフルエンザで」
「それでか」
「五日間眠られていました」
「そうか、五日か」
シャイターンはそれだけの時間を確認して述べた。
「では国境も第二次防衛ラインも破られたか」
「おわかりですか」
「アッディーン大統領ならだ」
今戦っている彼ならというのだ。
「それ位は普通だ、そしてそのままだ」
「今サマルカンド星系に向かっています」
「やはりそうか」
「そのこともおわかりですか」
「用意にだ」
それこそというのだ。
「これ位はな」
「おわかりですか」
「これ位はな、しかしだ」
「それでもですか」
「これ以上は寝ていられない」
シャイターンは起き上がった、そうして言った。
「私の軍服を持って来るのだ」
「ですがそれは」
「五日寝た、そして栄養もだな」
「点滴を打っていました」
「なら大丈夫だ、体力回復は先だが」
それでもというのだ。
「寝ている暇はない」
「だからですか」
「そうだ、起き上がってだ」
そうしてというのだ。
「そしてだ」
「戦場に戻られるのですか」
「そうする、アッディーン大統領と戦う」
そうするというのだ。
「これよりな」
「無理がありますが」
「人を無理をせねばならない時がある」
シャイターンの言葉は強いものだった、それは今先程まで病床にいた者のものとは思えないものであった。
「だからだ」
「それで、ですか」
「今はその時だからな」
「戦場に戻られますか」
「そうする、すぐに軍服を着て」
そしてというのだ。
「電送機でシャハラザードまで移りな」
「そのうえで」
「戦う、散々に破られたが」
もうこのことも察していた、起きたばかりだがシャイターンの頭脳は早速目まぐるしく動きはじめていた。
「しかしだ」
「これからですか」
「巻き返すからな」
それ故にというのだ。
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