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八条学園騒動記

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第七百六十話 あまり力を入れていなくともその五

「マウリアとの関係を考えますと」
「そうだな」
「あの差別国家でもね」
「それでマウリア人の工作員は」
 彼等はというと。
「中々です」
「エウロパでもか」
「摘発されないで」
「活動をしてか」
「エウロパ人も抱き込んでいっているのね」
「そして情報がです」
 エウロパのそれがというのだ。
「連合にもです、あまりでなくとも」
「情報も漏洩してか」
「警戒しているのね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「エウロパも」
「成程な」
「そうした状況なのね」
「それで私達もです」
 ラメダスが言ってきた。
「工作員と見られたことがあります」
「エウロパにおいて」
 ベッキーも言ってきた。
「そうしたことがありました」
「若しやと」
「そうなのです」
「私達も」
 エイミーに二人で答えた。
「取り調べは受けませんでしたが」
「それでもです」
「そうなのね。疑われるのね」
「実際買収されている人がいますので」
「マウリアからエウロパに行き来する人には」
 二人はその現実を話した。
「中にはそのままエウロパにいてです」
「腰を据えて懐柔する人がいますので」
「やはりです」
「マウリア人は疑われます」
「そうなのね、それなら」
 ここでエイミーははっとなって言った。
「逆にエウロパもね」
「ああ、そうだな」
「マウリアの人達を買収してね」
 テンボとジャッキーが応えた。
「工作員にして連合に送り込む」
「そう出来るわね」
「そういえばだ」
 今度はダンが言った。
「マウリアでエウロパの工作員が活動しているらしいな」
「実際にか」
「そうしているの」
「連合も入ってな」
 自分達の国の工作員達もというのだ、ここで言う工作員とは諜報部にいる軍人達即ちスパイのことである。
「お互いの活動拠点を築いてな」
「それぞれの国に送り込むのか」
「マウリアの人達を工作員にして」
「そうしようとしているらしい」 
 こう二人に話した。
「そんな噂がある」
「その噂は本当か」
「気になるわね」 
 二人はその話を聞いて真剣な顔になって言った。 
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