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ハッピークローバー

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第百三十四話 終わりに近付いてその十一

「悪くなかったみたいだけれど」
「そうだったの」
「生活とかがね」 
 そうだったことも話した。
「共産主義でも」
「結構豊かだったのよね」
「ええ、けれどね」
「民族ね」
「宗教とね、それがね」 
 ユーゴスラビアではというのだ。
「一番の問題で」
「ややこしかったのね」
「そうだったのよ、悪い時代じゃなかったけれど」
 ユーゴスラビアの頃もというのだ。
「けれどね」
「独立したくて」
「それでね」
「戦ったのね」
「それで独立出来て」
 そうであってというのだ。
「しかもね」
「生きててしかも無事だった」
「それじゃあね」
「最高なのね」
「戦争になったら」
 それならというのだ。
「そこまでいけばね」
「最高ね」
「それでその中で」
「無事に生きていたら」
「いいわよ、それだけでね」
「戦争はそうなのね」
「ましてこっちの戦争はね」
 バルカン半島のそれを意識してだ、クロアチアの娘は一華に話した、彼女達の歴史からそうしたのだ。
「無茶苦茶殺し合うから」
「残虐によね」
「さっき言ったけれどね」
「ナチスが引く位に」
「当然ナチスにもやったし」
 侵略して来て占領した彼等にというのだ。
「徹底的にね」
「殺し合ったのね」
「まあ妻女に攻めて来たイタリアは」
 ムッソリーニが独断で侵攻しドイツはその援軍であったのだ。
「手荒にしなかったけれどね」
「イタリアはよかったの」
「だってイタリア軍そんなに酷くなかったし」
 侵攻してきたがというのだ。
「弱かったし」
「ああ、だからなの」
「捕虜にしたら」
 その時はというと。
「ドイツ軍だと反抗的でね」
「こっちも何だってなって」
「徹底的にやるけれど」
「それがイタリア軍だと」
「これがね」
 彼等の場合はというと。
「捕虜にしてちょっとこづいたら」
「あっ、わかったわ」 
 一華もピンときて応えた。
「大人しくなったのね」
「よくイタリア軍弱いっていうわね」
「日本でもね」
「それだけでね」
 こづく程度でというのだ。 
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