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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその七十五

「対立よりも」
「サハラとはな」
「出来るなら友好関係を築き」
「中立をだな」
「望んでいます」
 そうなっているというのだ。
「ですから」
「総統にもそう提案するな」
「はい」
 そのつもりだとだ、モンサルヴァートも答えた。
「ですから」
「ここはだな」
「それでは」
「軍人として提案するか」
「そうします、軍人として」
 モンサルヴァートは言った。
「必ず」
「軍人は騎士だ」
 マールボロも言った。
「騎士は政治には介入すべきでない」
「はい、そちらは政治家の職務です」
「つまり今の私のな」
「ですが現場の者として」
「提案は出来るな」
「政府も求めています」
 そして政治家もだ。
「軍人そして文官の意見は」
「文武のな」
「その立場で」
 それでというのだ。
「提案しその提案をです」
「求められているので」
「こちらも提案させてもらいます」
「そういうことだな、やはり軍人が何も言わないのではな」
「ただ政府の言うことを受けて動いているだけでは」
「軍は強くならないしな」
「国防も的確とはならず」
「戦争にも敗れる」
「そうなります」
「政治家は様々だ」
 マールボロは今の自分の立場から述べた、軍服を脱ぎ議員となって実感していることである。だから今言うのだ。
「軍事に詳しい者がいれば」
「そうでない方もですね」
「いる、そして現場にいないからな」
「どうしてもですね」
「何かと疎くなるものだ」
 軍隊についてというのだ。
「だからな」
「軍人の意見もですね」
「必要だ、それを全く求めないか言わせないならだ」
「国防は失敗しますね」
「そうなる、軍隊はだ」
 まさにというのだ。
「軍人の意見も必要だ、そしてスタッフの意見としてだ」
「政治についてもですね」
「必要だ、武力を盾に介入なぞしてはならないが」
 それでもというのだ。
「意見を言うことはだ」
「当然のことですね」
「むしろないとだ」
「軍はですね」
「国家元首である総統は文民だ」 
 軍の最高司令官である彼はというのだ。
「首相が現役武官でもな」
「それは絶対です」
「エウロパでもな」
「首相までは現役武官も就任出来ますが」
 総統が任命する閣僚達はというのだ。 
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