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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその七十四

「統一と建国が為されたので」
「だからだな」
「はい、敵は少ない方がいいです」
「統一して終わりか」
 マールボロも言った。
「それは違うからな」
「そうです、統一して全てが成るのではなく」
「そこから成していくものだ」
「それが政治でありです」
「世の中だからな」
「物語ならそれで終わりです」
 統一、それを果たしてだ。
「それで、ですが」
「現実はそこからだ」
「むしろ、ですから」
「それ故にな」
「サハラも統一してからです」
「国をどう形成していくか」
「それが重要です、国は統一すれば」 
 そこからはというのだ、モンサルヴァートは話した。
「そこからです」
「創業がはじまる」
「国の基礎を固めるな」
「それがはじまります、それをせねば」
 創業の政、それを行わずしてというのだ。
「折角の統一もです」
「ふいになってしまう」
「そうした国も歴史にはありました」
「そうだな、サハラの歴史を見てもな」
「星系を統一し建国を果たし」
「そこで建国をした人物が目的を見失い」
 そしてであったのだ。
「己の奢侈贅沢に耽り政治を顧みなくなり」
「統一されても国は乱れ」
「そして滅ぶな」
「そうなったことがです」
「サハラでは実に多いな」
「はい、それを見ますと」
 どうしてもというのだ。
「サハラもです」
「まずはだな」
「創業の政に専念しなければならないので」
「対立に割く力もな」
「絶対にです」
 それこそというのだ。
「割きたくないです」
「ならだな」
「我々との友好関係最悪でも中立関係はです」
「望むところだな」
「そうかと。ですから」
 それ故にというのだ。
「私そして軍人の多くもです」
「そう主張しているな」
「むしろサハラとの対立を望む軍人はです」
「今のエウロパ軍にはいないな」
「警戒すべきとは言っていても」 
 そう主張する者はというのだ。
「今の日増しにこれまで以上に巨大化していく連合を見ては」
「連合に目がいくな」
「どうしても、ですか」
 この国の存在があるからだというのだ。
「サハラよりもです」
「連合となっているな」
「それは前からですが」
「今はだな」
「尚更で」
 軍もそうなっていてというのだ。 
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