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夢幻水滸伝

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第三百五十六話 東と西その七

「子供出来るんかいな」
「種族はちゃいますね」
「エカテリーナちゃんは天使、タゴールは磨人でな」
「それで子供は出来るか」
「種族がちゃうとな」
「ああ、子供出来へんですね」
「人間とエルフは外見が近いけどな」
 それでもというのだ。
「子供出来へんしな」
「そうですね」
「遺伝子の関係でな」
 この為にというのだ。
「結婚してもな」
「子供は出来へんですね」
「そやからあの二人もか」
「子供出来へんですね」
「同じ種族同士やないと」
 そうでなければというのだ。
「子供出来へんな」
「そやからですね」
 デリーロは鮭のマリネを食べてから言った。
「お二人も」
「やっぱりな」
「子供出来へんですね」
「そういうことやな」
「そうなりますと」 
 ここでだ、デリーロはどうにもという顔になってトウェインに話した。
「種族がちゃうと浮気しても」
「子供出来へんでな」
「その分楽になりますね」
「そやな、欧州のあのたらしはな」
「あの人ですね」
「どうもそれをええことにしてな」
「あらゆる種族の美女と、ですね」 
 この世界の人達のというのだ。
「遊んでいますね」
「わい等が時間ないと言う中でな」
「あの人はですね」
「普通に時間を作ってな」 
 そうしてというのだ。
「もう酒池肉林や」
「それも常に」
「何でも一日三人はな」
「お相手にしているとか」
「多い時は五人とかな」
「無茶苦茶ですね」
 デリーロはその人数に驚嘆していた。
「それやと一月もあれば」
「この世界の人の全種族制覇やな」
「それが出来ますね」
「そして何でも何周りもな」
 ただ全種族制覇だけでなくというのだ。
「やってるらしいな」
「物凄いですね」
「千人切りどころかな」 
 それで収まらずというのだ。
「欧州中を巡って」
「万人切りとか」
「二万いったらしいな、あれや」
 ここでトウェインは酒以外のことで目を座らせて言った。
「在原業平さんや」
「あの人はかなりもてたそうで」
 ヘミングウェーが言って来た。
「それで、ですね」
「そや、千人どころかな」
「万人ですか」
「絶世の美男子で和歌も見事で」
「もてたのですね」
「カエサルさん以上にな」
 欧州でもてたことで有名な彼よりもというのだ。 
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