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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその六十三

「国民にすらだ」
「数えられていませんでした」
「カーストになかったからな」
 ただしヒンズー教徒以外は国民とみなされていた。
「そうだったからな」
「それで、でしたね」
「その鬱屈たる気持ちはな」
「第三身分の比でなく」
「果たそうという願いもだ」
 その革命をというのだ。
「かなりだ」
「強いものがありますね」
「だからこそ尚更な」
「副主席は何度失脚してもですか」
「倒れない」
 これがマールボロの見立てだった。
「あの御仁はな」
「失脚しても復活する」
「それが出来れば本物だが」
 それでもとだ、マールボロは言うのだった。
「だがそうした人物はな」
「やはり少ないですね」
「人は一度落ちるとな」
「上がることは難しいですね」
「どうしてもな。心が折れるとな」
 そうなればというのだ。
「骨が折れるよりもだ」
「辛いですね」
「そうだ、骨はまたくっつくが」 
 例え折れてもだ、これは人の身体の回復力故のことだ。
「しかしだ」
「心は骨とりもですね」
「折れると治りにくい」
「人の中で最も脆いと言われていますね」
「強いと思われている人でもだ」
 その心がというのだ。
「それでもな」
「一旦折れるとですね」
「そこで終わってしまう人もいる」
「そのまま失意に落ちて身体も壊して亡くなることも」
「あるし自殺もな」
 この選択を選んでしまう場合もというのだ。
「ある、それだけ心が折れるとな」
「立ち直ることは難しいですね」
「そういうものだからな」
「失脚して心が折れたなら」
「そこからの復帰は難しい、だがジャバル副主席はな」
「違いますね」
「そもそもあの御仁がに心が折れるということがあるか」
 マールボロの言葉には今は語尾に疑問符があった、ジャバルを見てどういった人物か知ったからこその言葉だ。
「そもそもな」
「そのことすらですね」
「ない」
 そうした人物だというのだ。
「だからな」
「失脚してもですね」
「心が折れずな」
 そしてというのだ。
「そのうえでだ」
「また出て来る」
「選挙にも勝ちな」
「マウリア国民の支持を集め」
「その政策とカリスマ性でな」
「それで、ですね」
「また出て来る」
 失脚してもというのだ。 
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