神々の塔
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第七十二話 四つ目の神その十二
一行はそれぞれ風に強い属性を身体にまとった、そのうえでマルドゥークと戦い最後は中里がだった。
童子切の一閃でマルドゥークを倒した、それから言った。
「これで勝ちですね」
「そなた達のな」
マルドゥークはその四つの目を中里に向けつつ話した。
「勝利だ、だからだ」
「先に行っていいですね」
「うむ」
まさにというのだった。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「さらに一階一階進んでな」
そうしてというのだ。
「試練を乗り越えていくのだ」
「そうしていきます」
「頼むぞ、ではまずはな」
「宿屋で、ですね」
「休むのだ、あとな」
「あと?」
「酒は飲んでもな」
そうしてもというのだった。
「飲み過ぎてもな」
「それでもですね」
「二日酔いは長引かせるな」
「すぐに抜くことですね」
「風呂に入ってな、風呂はいい」
マルドゥークは四つの目をにこやかにさせて話した。
「癒されるしな」
「身体も奇麗になるし」
「実にだ」
まさにというのだ。
「いい、だからな」
「それで、ですね」
「明日の朝にだ」
「お風呂に入って」
「身体を清めてな」
そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「お酒も抜く」
「下の宿屋は私の従者達に営ませているが」
「はい、そうですね」
「ビールがいい」
この酒がというのだ。
「古代メソポタミアではビールをよく飲んだ」
「エジプトもでしたね」
「そうであってな」
「ビールがええですね」
「ビールにな」
この酒に加えてというのだ。
「羊料理もいい、だからな」
「そうしたものを飲んで食べて」
「そうしてだ」
そのうえでというのだ。
「存分にだ」
「楽しむことですね」
「そうするのだ、そしてだ」
「飲み過ぎて二日酔いになれば」
「その時はな」
まさにというのだ。
「すぐにな」
「お風呂に入ることですね」
「そうだ、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「すっきりするのだ、いいな」
「そうしてきます」
「私も戦が終わったしな」
神霊は笑顔で自分の話もした。
「そうしてな」
「飲みますね」
「そうしてだ」
そのうえでというのだ。
「楽しむ、勿論風呂もな」
「入りますか」
「サウナも入ってな」
そうもしてというのだ。
「思いきりだ」
「汗をかきますか」
「そうもする、ではそなた達もだ」
あらためて言った。
「勝ったのだからな」
「ビールにお風呂をですね」
「楽しめ、いいな」
「それでは」
「戦ばかりではない」
マルドゥークは微笑んだ、そしてこんなことも言った。
「世界はな」
「色々なことがあって」
「その中には楽しみもだ」
「ありますね」
「そうだ、だからな」
「これからですね」
「また旅立つまでな」
それまでの間というのだ。
「ゆっくりとだ」
「休んで」
「飲んで食ってな」
「風呂に入ることですね」
「そうするのだ。いいな」
「わかりました」
中里も他の者達も頷いた、そうして一行は実際にビールも風呂も楽しんだ。どちらも実にいいものであった。
第七十二話 完
2024・5・1
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