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八条学園騒動記

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第七百五十八話 偉いと思えるのはその九

「散々搾取して残虐で傲慢な」
「キリスト教以外認めないふざけた連中だろ」
「他の宗教も認める」
「それが文明人だぞ」
 連合のこの考えも話した。
「まさにな」
「キリスト教以外認めないなんてね」
「異教徒は皆殺し」
「どれだけ野蛮なのよ」
「いえ、今のエウロパは」
 セーラはこの国の現実を話した。
「違います」
「そうなのか?」
「あの連中変わるの」
「連合と同じ様に」 
 こう前置きして話した。
「キリスト教以外の宗教も存在しています」
「ギリシアや北欧の神々が復活してるのよね」
 エイミーが言ってきた。
「それで信仰されているわね」
「これはブラウベルグの頃からで」
 エウロパで国父とまで言われEUからエウロパに転換させこの国を宇宙に移転させた人物である。連合に対抗したうえでそうしたことを成し遂げたのだ。
「今もです」
「信仰されているのね」
「はい」 
 そうだというのだ。
「それぞれの神々が」
「神殿もあって」
「聖職者の方々もおられます」
「そうなっているのね」
「ただローマの信仰は」
 こちらはというと。
「ローマの英雄達は神格化され崇拝されていますが」
「カエサルとか」
「そうです、ですが」
 それでもというのだ。
「キュベレイやミトラといった」
「連合の神様じゃない」
「かつてはローマでも信仰されていました」
 こういった神々はというのだ。
「そうでしたが」
「エウロパではなのね」
「信仰されておらず」
 そうであってというのだ。
「連合で、です」
「私が今言った様に」
「はい」
 まさにというのだ。
「信仰されています」
「確かね」
 エイミーはセーラに考える顔になって話した。
「ミトラ神って弥勒菩薩よね」
「仏教でいいますと」
「そうよね」
「仏教に入りまして」 
 ミトラがというのだ。
「弥勒菩薩になりました」
「そういえば名前がね」
「ミトラが弥勒になったとですね」
「わかるわ」
「そうですね、そうした意味で長い間です」
「ミトラ神への信仰はあったのね」
「そうでした、マウリアでもです」
 セーラは自分の祖国の話もした。
「ミトラ神への信仰はです」
「あるのね」
「そうです」
「そうなのね」
「この神の存在は大きく」
「かつてはエウロパでも信仰されていたのね」
「そうでした、ですが今はです」
 エウロパではというのだ。
「その信仰はありません」
「ギリシアや北欧の神様ね」
「ゼウス神やオーディン神といった」
「そうした神々ね」
「キリスト教と共にです」 
 エウロパがローマ帝国末期より絶対のものとして信仰してきたこの宗教もというのだ。尚エウロパも連合と同じ様に一人の人間が複数の宗教を信仰することが普通である。 
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