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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその五十六

「やはりな」
「左様ですね」
「災害は将兵の質も重要だが」
「それ以上にですね」
「軍隊の持つ組織力と作業用の機器それに医療品等がな」
「重要ですね」
「一気に組織的に動ける」
 そして救助にあたれるというのだ。
「それが重要でだ」
「弱体化していてもですね」
「ある程度動ける、そのある程度がだ」
 それがというのだ。
「いい」
「左様ですね」
「そうだ」
 だからだというのだ。
「こちらはまだいい」
「災害救助については」
「まだな、しかしな」
「戦争ではですね」
「相手は災害ではなくな」
「自分達と同じ軍隊です」
「組織力のあるな」
 災害の時に使用するそれを持っている、というのだ。
「その彼等だ、如何に数や装備で優っていても」
「将兵の質が悪いならば」
「その勝利も危うい」
「そうなります」
 モンサルヴァートも断言した。
「そこがマウリア軍に出てきますね」
「ジャバル副主席が国家主席になったならな」
 その時にというのだ。
「そうなる、そしてそのジャバル副主席を止められる者は」
「マウリアにはですか」
「いない、彼は確かに軍事的才能は皆無だが」
 このことは事実だが、というのだ。
「しかしだ」
「その他の政治分野のついての才能は恐ろしいまでです」
「だからだ」
「そのジャバル副主席に誰も対抗出来ない」
「しかもカリスマ性も備えているからな」
「だからですね」
「あの御仁を止められる人物はだ」
 それこそというのだ。
「一人もだ」
「いないですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「少なくとも私が知る限りな」
「そういえばです」
 モンサルヴァートも言った。
「副主席には同志や盟友はいても」
「そして軍師はいてもな」
「止められる人はです」
「見当たらないな」
「皆副主席のカリスマ性に感銘を受けていて」
「副主席の為に働こうとするがな」
「止める様な人物はです」
 そうした人物はというのだ。
「知りません」
「そして聞かないな」
「はい」
 まさにというのだ。 
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