神々の塔
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第七十一話 龍神その十二
「目を向けさせる、しかしそこで他の感覚もや」
「目、視覚以外の」
「それを使う様に仕向けるんや」
「ただでさえ目に神経を集中させてるのに」
その広い視界を利用して長い身体を護る為にだ、リーは綾乃に対して神霊を見つつさらに話していた。
「そこでや」
「耳やお鼻もで」
「普通の蛇と違ってそういった感覚もええしな」
このこともあってというのだ。
「そういうのを使わせてな」
「それで戦うんやね」
「どんな生きもの、神霊も一度に注げる力は決まっててな」
「目に力が集中したら」
「他の感覚がなおざりになる、さらにな」
リーはさらに言った。
「あの長い身体を護ろうとしたら」
「相当やね」
「そやからな」
だからだというのだ。
「ここは音や匂いが強い攻撃以外にな」
「うち等は散開してそれぞれ戦って」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「攻めていくんや」
「そうするんやね」
「まとまって戦うよりもな」
カツアルコアトルの様な神霊にはというのだ。
「それよりもな」
「散って戦うべきやね」
「一方向からでなく多方向からな」
そこからというのだ。
「攻めてな」
「戦えば」
「勝機が見える、それでや」
その為にというのだ。
「これからな」
「そうして攻めるんやね」
「そうしていこな」
こう話してだった。
十人はそれぞれ散ってだった。
ケツアルコアトルを囲んでそうしてそれぞれの方向から攻めていった、すると高位な神霊である彼もだった。
遂にだ、倒した。そして他の神霊達も倒してこの階の全ての神霊を倒すとケツアルコアトルはここでも優しい声で話した。
「よくやったよ」
「これで、ですね」
「うん、君達の勝ちだからね」
アレンカールにそれでと話した。
「もうね」
「先に行ってええですね」
「いいよ」
まさにという返事だった。
「是非ね」
「それでは」
「それでね」
ケツアルコアトルはさらに話した。
「これからだけれど」
「まず宿屋に戻ります」
「そうするね」
「そして身体を清めて」
風呂でというのだ。
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