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神々の塔

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第七十一話 龍神その八

「あたいが思うには」
「どないしたんや?」
「いえ、ケツアルコアトルさんにお話戻すけれど」
 この神霊にというのだ。
「あの方緑の蛇でしょ」
「白い翼のあるな」
「奇麗よね」
「緑ってのがええな」
「エメラルドパイソンがそうでね」
 この蛇の名前も出した。
「そうした感じでね」
「確かに奇麗やな」
「しかも優しいし」 
 そうした性格でというのだ。
「尚更ね」
「ええ神様やな」
「あたいの神具でよかったわ」 
 アレンカールは笑ってこうも言った。
「いつも助けてもらってるしね」
「当然のことです」
 ケツアルコアトルが言ってきた。
「そのことは」
「当然なの」
「私は神具です」 
 アレンカールに話した。
「神具であるなら」
「主を助けるの」
「そうさせて頂くことがです」 
「当然なのね」
「左様です」
 まさにというのだ。
「それを忘れてはです」
「神具やないのね」
「はい」
 そうだというのだ。
「全く以て」
「そう言ってくれるのね」
「そうです、ですからこれからもです」
「一緒にいてくれるの」
「そうさせて頂きます」
「頼りにしているわ、ただね」
「ただ?」
「実はね」 
 ここでアレンカールは笑った、そうしてケツアルコアトルに対してこんなことを言ったのであった。
「あたいアナコンダ好きなのよ」
「あの蛇が」
「ええ、恰好いいとね」
 その様にというのだ。
「思ってるわ」
「そうなのですね」
「特にね」 
 アレンカールはさらに話した。
「二十メートル以上ある」
「この世界のアナコンダですね」
「中には百メートルあるのがいるでしょ」
「この世界には」
 ケツアルコアトルは答えた。
「ごく稀ですがいますね」
「そこまで大きくなるとね」
「尚更ですか」
「大好きよ、しかも大人しいでしょ」
 アナコンダはというのだ。
「だからね」
「その性質もお好きで」
「尚更ね」
「巨大なアナコンダがですか」
「好きなの。ただあまりにも大きいと」 
 それならというのだった。
「もう人なんてね」
「一呑みやぞ」
 芥川がやや憮然とした顔で言って来た。 
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