夢幻水滸伝
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第三百五十四話 リオ=グランデ川からその十三
「統一した後もな」
「どうするかですね」
「内政を続け」
「それと共にですね」
「外交をしてくで、デリーロさんとガーランドさんと話をするか」
オコナーはこう考えた、だが。
ここでだ、デリーロから使者が来た。マーマンの若い男の使者はオコナーに礼儀正しく一礼してから彼に話した。
「デリーロ様はオコナー様との会談を望まれています」
「そうなんか」
「はい、ガーランド様ともです」
「三者会談になるか」
「そうなることもです」
その場合もというのだ。
「お考えです」
「そうなんか」
「それでなのですが」
オコナーにあらためて言ってきた。
「どうされますか」
「こっちもお話したいと思ってた」
オコナーは自分の執務室の自分の席から答えた。
「お話をや」
「されたいとですね」
「思ってた」
「そうなのですね」
「そやからな」
だからだというのだ。
「その申し出是非な」
「受けられますね」
「そしてな」
そのうえでとだ、オコナーはさらに言った。
「それでことが整えばな」
「いいとですね」
「あちきは思ってる、このこともな」
「デリーロ様にですね」
「伝えてくれるか」
「はい」
使者はそれではと応えた。
「それでは」
「後は会談の場所をや」
「決めるだけですね」
「こっちは何処でもええからな」
「そうなのですね」
「堅苦しく話さんでもな」
笑って言うのだった。
「別にええな」
「そのお言葉もですか」
「伝えてくれるか」
「わかりました、では」
「ああ、ほなな」
「デリーロ様と会われますね」
「そうさせてもらうわ」
こう話してだった。
オコナーは使者に食事を提供させたうえで帰らせた、その食事は鰻丼であり彼自身夜に食べたのであるが。
その鰻を食べてだ、彼は言った。
「美味いな」
「はい、そうですが」
「しかしです」
共に食べている漁師と社長が応えた。
「会談を行うことが決まりましたが」
「よかったですね」
「それな、考えたらお二人もや」
和食であるその鰻丼を食べつつだ、オコナーは応えた。使者にもそうであったが器はしっかりとした重箱である。
「戦よりもな」
「お話ですか」
「それをよしとされる方々ですか」
「話が出来る人達や」
そうだというのだ。
「デリーロさんにしてもな」
「それで、ですね」
「会談を望まれていますね」
「そや、ほななな」
「会談をされて」
「そうしてですか」
「どないするかや、ただ戦はな」
彼等とのそれはというと。
「あちきは望んでへん、州を統一したしや」
「これ以上の勢力拡大もお考えでないですね」
「左様ですね」
「州の次はアメリカとなるが」
この国の統一だというのだ。
「しかしあちきがアメリカを統一するのは」
「お考えでないですか」
「そうなのですか」
「これといってな」
そうだというのだ。
「考えてへんわ、そやからな」
「州を守ることが出来れば」
「民とですね」
「それでええわ」
「そうですか、では会談でもですね」
「そのことからお話されていきますね」
「そうするわ」
二人に答えた。
「これからな」
「そしてですね」
「この州と民を守りますね」
「そうしてくわ」
こう言ってだった。
オコナーは会談の準備に入った、その時も州と民を守ることを念頭に置いていた。そのうえで準備を進めていくのだった。
第三百五十四話 完
2024・5・15
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