金木犀の許嫁
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二十四話 たこ焼きその七
「毒でね」
「攻撃して来るわね」
「それで噛まれて」
ヒョウモンダコにというのだ。
「死んだ人もいるわよ」
「オーストラリアだと」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「あの蛸はね」
「危険で」
「食べられるって聞いたことないし」
だからだというのだ。
「本当にね」
「日本人でもよね」
「食べるのはね」
この蛸だけはというのだ。
「ないわね」
「ないわね、大体ね」
夜空はヒョウモンダコと聞いて言った、実はこの蛸は日本近海にも棲息していて目撃例もあるのだ。
「数少ないのよね」
「そう、かなりね」
「そうよね」
「あの蛸はね」
それこそというのだ。
「見ること自体少ないわね」
「ええ、それでよね」
「毒あって」
そうであってと夜空に話した。
「数も少なくて」
「食べる人いないわね」
「日本人でもね」
「というかね」
夜空はこう言った。
「あの蛸って色がね」
「ああ、青と黄色で」
「何かね」
その配色がというのだ。
「かなりね」
「食べてもっていうのね」
「どうかってね」
その様にというのだ。
「思うし」
「そうね」
オーストラリアの娘も確かにと頷いた。
「あの縞模様はね」
「食欲をね」
「そそらないわね」
「見るからに」
それこそというのだ。
「まずそうな」
「そんな感じよね」
「だからね」
それでというのだ。
「あの蛸だけは」
「日本人もよね」
「食べないわね」
「聞かないわね」
「ちょっとね」
「いや、毒があっても」
「日本人は食べるでしょ」
夜空はオーストラリアの娘に話した。
「そうでしょ」
「河豚だって食べるしね」
「河豚食べたことある?」
「あるわ」
オーストラリアの娘は正直に答えた。
「お父さんお母さんが来日した時に」
「ご家族で食べたの」
「大阪にまで行ってね」
「大阪は河豚も名物だしね」
「昔から食べてたのよね」
「江戸時代江戸ではご法度だったのよ」
河豚を食べることはというのだ。
「毒があるから」
「まさにそれが理由だったのね」
「けれど大阪だとね」
当時は大坂であった、明治維新から大阪となったのだ。漢字が少し違うだけだが字が違ったことは事実である。
ページ上へ戻る