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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその四十四

「一体な」
「はい、言うまでもありません」
「国家元首である国家主席です」
「国家元首は軍の最高司令官です」
「このことはもう言うまでもありません」
「そうだな、だから私が国家主席になればだ」
 その時はというのだ。
「私が軍の最高司令官になり」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「軍を完全に統制し」
「戦場でもですね」
「従ってもらう、軍はだ」
 まさにというのだ。
「また言うが数と装備と補給だ」
「そうしたものが整っていれば」
「それで、ですね」
「勝てますね」
「左様ですね」
「だからですね」
「軍人達は文官達と同じだ」
 他の省庁の官吏達と、というのだ。
「私が国家主席になったならな」
「その時はですね」
「絶対の統制下に置き」
「命令通りに動く」
「そうした存在にしますね」
「意見は出してもらう」
 それはいいというのだ。
「現場の意見は極めて重要だ」
「まことに」
「現場を知らずして的確な政治は出来ません」
「現場を知らない政治は失敗します」
「例えそれがどれだけ素晴らしいものでも」
「現実を知らない政治は空虚なものだ」
 まさにというのだ。
「それはな」
「左様ですね」
「そうした政治は」
「まことにですね」
「失敗する元ですね」
「実際にそれで多くの改革や革命が失敗した」
 現場や現実を知らないで行ってというのだ。
「そうなったな」
「このマウリアでもでしたね」
「理想を掲げてもです」
「現実や現場を見ないで失敗した政治は多いですね」
「それも実に」
「だから現場の意見はだ」
 軍人達のそれもというのだ。
「是非だ」
「どんどん言って欲しい」
「左様ですね」
「他の省庁と同じく」
「意見は出してもらいますね」
「正しい政治の為に」
「そうしてもらう、別に何を言ってもだ」
 それでもというのだ。
「私は咎めない、例え私を批判してもだ」
「実際に叛乱を起こさないなら」
「その素振りを見せないならですね」
「それならですね」
「構わないですね」
「そうだ、口で何を言ってもだ」
 それでもというのだ。
「私はな」
「これといってですね」
「咎められないですね」
「そうしたことはされないですね」
「決して」
「その様な狭量な人間ではない」
 自分自身はというのだ。 
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