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髑髏の子供

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第一章

               髑髏の子供 
 長い黒髪に大きな目を持つ楚々とした外見の少女だ、名前をイシュキックといった。
 トワテルは自分が暮らしている村の近くの山にとても美味しい木の実があると聞いてその山に入って木の実を探すと。
 何と髑髏が多く実っている木があった、その木と実を見て少女は驚いたが。
 髑髏の一つがだ、彼女に言ってきた。
「何故ここに来た」
「この山に美味しい木の実があるって聞いてなの」
 少女は素直に答えた。
「それでだけれど」
「その木の実が私と言えばどうだ」
「えっ!?」
「私を食べるのか」
「美味しいなら」
「ははは、面白いことを言う」
 髑髏は娘の言葉を聞いて笑った。
「なら一つそなたに大きなものをやろう」
「大きなもの?」
「私を食べるのだ、実際に美味いぞ」
「そうなの」
「そうすればわかる」
「それじゃあ」
 娘は髑髏の言葉に頷き木からもぎ取った、そしてだった。
 実際に食べるとだ、これが。
「あっ、確かに」
「美味いな」
「ええ」
 食べてみるとそうだった。
「さくらんぼみたいな味がして柔らかくて」
「皮もだな」
「髑髏と思ったら」
「見た目で判断しないことだ」
「髑髏に見えてもなのね」
「私は木の実だ、では私を食えば村に帰れ」
「わかったわ」
「そうすれば大きなことがはじまる」
 髑髏は楽しそうに話した、そしてだった。
 娘は髑髏の姿の木の実を食べ終えると村に帰ったすると暫くしてだった。
 娘の腹が大きくなった、それには両親も驚いた。
「何っ、何時の間に」
「相手は誰なの!?」
「いや、娘はそんな歳か」 
 父のクチュマキックはこのことに気付いた、面長で高い鼻を持つ男だ。
「まだだろ」
「ええ、そう言われると」 
 母のトワテルテ太った中年の彼女も頷いて答えた。
「まだよ」
「そんな歳じゃないな」
「じゃあどうしてなんだ」
「実は」
 娘は驚く両親にまさかと思い山でのことを話した、すると。
 両親はその話を聞いてだ、こう話した。
「まさかな」
「髑髏の木の実を食べたからなの」
「そのせいでか」
「イシュキックは妊娠したの」
「ううむ、あの山のことは聞いていたが」
 それでもとだ、父は言った。
「こんなことがあるとはな」
「不思議ね」
「ああ、しかしその木の実のことをな」
 まさにそれのことをというのだ。
「今から誰かから聞くか」
「誰がいいかしら」
「この村で一番知恵と知識のある者に聞こう」
「そうなると」
「ミミズクだ」
 クチュマキックはこの鳥の名前を出した。
「村の長老が飼っているな」
「あの四羽の」
「あの者達に聞こう」
「それならね」
 トワテルテもそれならと頷いた、そしてだった。 
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