八条学園騒動記
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第七百五十七話 麻薬がもたらすものその七
「何もな」
「本当に生きていても無駄な人だったのね」
「害にしかならなかった」
「それじゃあ死んでも」
それでもとだ、エイミーは言った。
「まともに生まれ変われないわね」
「碌なものにならないわね」
ジャッキーも言った。
「そんな人だと」
「地獄に堕ちるかしら」
「宗教によってはそうなるでしょうね」
ジャッキーもそうなることを否定しなかった。
「実際に。餓鬼になったりね」
「そうなるわね」
「ええ、ただそうした人って信仰心は」
「ないわね」
「絶対にね」
「ないな、自分だけだとな」
そうした輩ならとだ、ダンは言った。
「そもそも天理教の悪口も言っていたらしいしな」
「お世話になっていても」
「それでもね」
「そうだとな。だが」
ダンは難しい顔でさらに話した。
「それでも普通は宗教団体の仕組みを言いはしないな」
「どうでもいいわよね」
エイミーもそれはと言った。
「そんなの」
「普通はな」
「それを言うって」
「それもしつこく言っていたか」
「そうだったみたいだな」
テンボはダンのその疑問にも答えた。
「どうやら」
「どうでもいいものをしつこく言っていたか」
「三ヶ月位お世話になって色々勉強させてもらってな」
「その様か」
「そうだった」
「そんな奴は信仰なぞ持てない」
ダンは言い切った。
「信仰心を持つにもある程度の資質が必要だ」
「それがないとか」
「もうな」
それこそというのだ。
「信仰心もな」
「持てないか」
「言うまでもなく正しい信仰でないと駄目だ」
狂信や盲信はならないというのだ、そして中にはカルト教団を信じる様な輩も存在するのはこの時代も変わらない。
「だがな」
「最初からないのはか」
「論外だ、だがそいつは何をしても変わらなかったか」
「誰がお世話してもな」
「感謝もしないでか」
「変わらなかった」
そうだったというのだ。
「むしろお世話をした人達を悪く言う」
「そんな奴だったんだな」
「後ろ足で砂をかける様なことばかりだ」
「していたか」
「おそらく今頃な」
テンボも忌々し気に話した。
「餓鬼になってな」
「苦しんでいるか」
「ここまで屑だと人間か」
「違うな」
「餓鬼になっている、信仰心はなくても」
神も仏も信じていなくともというのだ。
「それでもな」
「そこまで屑だとだな」
「心が餓鬼になっていてな」
既にそうなっていてというのだ。
「それでだ」
「死ねば身体も餓鬼になってか」
「餓鬼界に堕ちて」
そうなってというのだ。
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