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神々の塔

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第七十一話 龍神その六

「ちゃうかったのよ」
「そやね」
「そやから信仰してる神々も違うのよ」
「ケツアルコアトルさんはアステカやね」
「そうよ、それでピラミッドでもね」
「あの人への信仰があるね」
「そうなの、けれどインカではね」 
 この国ではというと。
「別の神々がね」
「信仰されてたんやね」
「そうなのよ、それでこっちの世界やと」
「その信仰があるね」
「そうよ、キリスト教もあって」
 中南米ではというのだ。
「そのうえでね」
「インカの神々も信仰されてるね」
「そうよ、ただ生贄はね」
 このならわしはというと。
「ないわ」
「そやね」
「これはね」
 生贄はとだ、アレンカールはこちらのことも話した。
「ほんまね」
「肯定出来へんね」
「信仰は必要で」
 そうしてというのだ。
「神々への捧げものもやけど」
「生贄はな」 
 リーもどうかという顔で話した。
「認められへんわ」
「無駄に命を犠牲にするからね」
「復活出来てもな」
「死ぬと痛いし」
「そやからな」
「認められへんわ」
 アレンカールは為政者の一人として話した。
「ほんまに」
「そやな」
「ええ、しかもね」 
 さらに言うのだった。
「殺し方がね」
「中南米の場合酷いからな」
「残虐よ」
「皮剥いだりな」
「首を刎ねてピラミッドの頂上から落としたりね」
「肉を食べたりな」
「もう何かあると生贄で」
 それを神々に捧げてというのだ。
「殺し方はね」
「色々でな」
「残虐なものも多いのよ」
「そやな」
「けどそれを神々が求めたか」 
 アレンカールは微妙な顔で話した。
「それはね」
「ちゃうわ」
 リーは断言した。
「そんなものはや」
「神々は求めてへんわね」
「そや」
「人が勝手に言い出したことね」
「どうも人には生贄の考えが根幹にあってな」
「ギリシアでもケルトでもあったわね」
「お供えをして」 
 そうしてというのだ。
「その中でな」
「生贄があったわね」
「これを探すとな」
 生贄をというのだ。
「中南米もギリシアもケルトもでな」
「他にもあるわね」
「ああ、そういえばや」 
 羅も言ってきた。 
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