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ハッピークローバー

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第百三十二話 餓鬼にならないならその十二

「もうね」
「そこまでしても問題なしね」
「そうでもして迷惑かけられた親戚の人達に」
「迷惑粉を返してもらうのね」
「そうしたらいいでしょ」
 こう一華に話した。
「そうした人は」
「容赦なく」
「そうよ、逃げようとしても」
「タコ部屋は逃げられないのよね」
 富美子が言ってきた。
「とんでもない場所で強制労働だから」
「そうらしいわね」
「あとマグロ漁船もね」
 こちらもというのだ。
「かなりね」
「凄いみたいね、あっちも」
「そんな餓鬼にまでなり果ててる人は」
 それこそというのだ。
「もうね」
「それこそよね」
「そうした場所に放り込んで」
「少しでも返してもらうのね」
「そうすべきよ、生活保護なんてね」
「もっての他ね」
「ええ、ただね」
 ここで富美子はこうも言った。
「その人生きていたらもういい歳よね」
「七十過ぎ位みたいね」
 かな恵は母から聞いた話を思い出しつつ答えた。
「お母さん達が学生時代に教会にいて五十位でいられなくなって」
「その人が」
「教会出たのが二十何年か前らしいから」
「じゃあ七十過ぎね」
「生きていたらね」
「もうお爺さんだから」
 それではとだ、富美子は嫌そうな顔になって言った。
「働けないわね」
「お年寄りだからね」
「生きていたら」
 富美子はそれならと話した。
「逃げ切られたわね」
「碌でもない人のまま」
「それでね、それで何処かで生活保護なり受けて」
「生きていたら」
「嫌ね、というか親戚の人若しもその人が生きていて」
 そうであってというのだ。
「生活保護なり受けていたら」
「生活保護なくさないとね」
「その分ちゃんと貰うべき人が貰えるでしょ」
「そうよね」
 かな恵も確かにと頷いた。
「困っている人がね」
「でしょ?そんなどうしようもない人が貰ってね」
「生きるよりも」
「本当に困っている人がね」
 まさにというのだ。
「生活保護貰うべきよ」
「税金だしね」
「日本人でもね」
 税金を納めているというのだ。
「そんな人はね」
「生活保護貰ったら駄目よね」
「世の為に人の為にね」
「野垂れ死ぬべき?」
「酷いこと言ってると思わないわよ」
 富美子は怒った顔で腕を組んで言い切った。
「だってその人のお話聞いたら」
「最低だしね」
「屑と言ってもね」 
 そうしてもというのだ。
「まだ足りない」
「餓鬼よね」
「そこまで堕ちてるから」
 そうした輩だからだというのだ。 
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