キラキラネーム
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第五章
「よくないでしょ」
「それだけだから」
「フィンランドじゃトウゴウって名前の人いるしね」
ヒカリはこの話をした。
「あっち凄い親日だし」
「そうそう、それで東郷平八郎さんにちなんで」
アスカはヒカリの今の話に応えて言った。
「それでね」
「苗字はそのままでね」
「名前がトウゴウだったりするのよね」
「あっちはね」
「そういうのはありでも」
「無理に変な名前にしなくてもいいでしょ」
「というか森鴎外さんはね」
この人物はというと。
「本当にドイツ崇拝が酷くて」
「お子さんの名前そうしたのよね」
「それで他にもね」
「色々酷くて」
「私も最低だって思うわ」
そう言っていい人物だというのだ。
「本当に」
「そうなのね」
「最低過ぎて」
それでというのだ。
「ああはなりたくないってね」
「思うのね」
「それ位ね」
そこまでというのだ。
「酷い人よ」
「そうなのね」
「何かね」
楓子もここでこう言った。
「私も興味なくしたわ」
「森鴎外さんについて」
「図書館で聞いてまさかと思って調べたら」
ヒカリに対して話した。
「その通りだったし」
「本当にそうした人だったのね」
「最低なね」
こう呼ぶべきのというのだ。
「とんでもない人だったから」
「興味なくしたの」
「今は芥川龍之介よ」
「あの人ね」
「この人も色々あるけれど」
それでもとだ、ヒカリに話した。
「自殺してるしね」
「何か最期の方洒落になってない位病んでたのよね」
「だから自殺したけれど」
それでもというのだ。
「偉そうだったり職位にこだわったり出世欲強くて」
「キラキラネームも付けなかったから」
「そういうのは一切ないから」
森鴎外と違ってというのだ。
「それでね」
「いいのね」
「ええ、あの人はね」
芥川龍之介はというのだ。
「いいわ」
「それで今読んでるの」
「そうしてるの」
「あの人は」
アスカは楓子が芥川の話をしたことを受けてこんなことを言った。
「息子さん達の名前を言い間違えられない様にしたのよ」
「そうだったの」
「ええ、楓子ちゃん芥川龍之介ってどう書いてるの?」
「大抵は苗字の芥川だけれど」
「フルネームだと?」
「だから芥川龍之介でしょ」
「これがね」
アスカはこう前置きして話した。
「本名龍之助らしいのよ」
「そうなの」
「何でもご本人こう書かれるの嫌いだったそうよ」
「そうだったの」
「それでお子さん達にはね」
「息子さん三人よね」
「それぞれ絶対そう読めて書ける」
そうしたというのだ。
「お名前にしたそうなのよ」
「そうだったの」
「どうもね」
「そこ鴎外さんとは全く違うわね」
「私も漢字だとね」
アスカは自分の名前のことも話した。
「明日香でしょ」
「絶対に読み間違えないわね」
「そうだしね」
「私は光って書くけれど」
ヒカリも言ってきた。
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