八条学園騒動記
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第七百五十六話 無法地帯だとその八
「日本ではな」
「私達が今いる国だと」
「特にな」
「そうだったのね」
「当時琉球も日本だったが」
「同じだったのね」
「頭のおかしい奴が人を殺してもな」
そうした事件が起こってもというのだ。
「精神異常と鑑定を受けたらな」
「無罪だったのね」
「責任遂行能力なしと思われてな」
それでというのだ。
「無罪だった」
「何だそれ」
その話を聞いてだった、テンボは目を怒らせて言った。
「罪は罪だろう」
「そうよね」
ジャッキーも怒って続いた。
「どう見ても」
「人を殺したならな」
「明らかに殺人罪じゃない」
「キチガイでも何でもな」
「死刑になるでしょ」
「今の連合だとそうだが」
ダンは二人に難しい顔で話した。
「その頃の日本だとな」
「キチガイと鑑定されるとか」
「それで無罪だったのね」
「他には裁判員が死刑と言ってもな」
そう判断してもというのだ。
「裁判官が死刑にしなかったりする」
「それじゃあエウロパだな」
テンボは吐き捨てる様にして言った、確かにそうした口調で会ったが実際に唾を吐いたりはしていない。
「死刑廃止か」
「反対の裁判官が多かった」
「悪人だろ」
テンボは言った。
「人を殺したらな」
「キチガでもな」
「それならだ」
「罪に問われないといけないな」
「絶対にな」
それこそというのだ。
「駄目だが」
「俺もそう思うが」
「当時の日本だとか」
「キチガイなら無罪になってな」
そうしてというのだ。
「死刑反対という奴がな」
「裁判官にもいたんだな」
「多くな」
「死刑反対も酷いが」
テンボはそれでもと言った。
「キチガイだから無罪はな」
「そんなの言ったら殺され損じゃない」
ジャッキーは怒ったまま言った。
「殺された人は」
「人を殺したら罪だ」
「キチガイでも何でもね」
「もっともキチガイはあからさまにやるからな」
「あたし達の推理の出番はないけれどね」
「罪に問われる以前にな」
「証拠これでもあるから」
それでというのだ。
「そうなるけれど」
「だからキチガイは推理ものには出ない」
「推理は犯人との知恵比べだしね」
「そうだがキチガイでもな」
「例えそいつが麻薬中毒でもね」
「死刑だろ」
「人を殺したなら」
こう二人で言うのだった。
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