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ハッピークローバー

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第百三十一話 悪魔がいないその十五

「本当に」
「そうよね」
「絶対にそうはなりたくなくて」
「お布施もしたくなくなる」 
 その輩が餓鬼になっていて死ねば本物のそれになりその餓鬼に対しての防餓鬼をしたくなくなるというのだ。
「そうよね」
「ええ、何かね」 
 かな恵はどうかという顔で応えた。
「そうした人が餓鬼になるって思ったら」
「もうね」
「お布施なんてね」
「したくないわね」
「あれよね」
 かな恵は理虹に嫌そうな顔のまま話した。
「お坊さんお食事の時お米を少しお供えするのは」
「あれが布施餓鬼よね」
「その餓鬼の飢えと渇きが癒される様に」
「それでお米お供えするのよね」
「お布施自体はいいことでも」 
 このことは事実であるがというのだ。
「けれどね」
「餓鬼はそうした人がなるって思ったら」
「したくなくなるわね」
「もうね」 
 それこそというのだ。
「勝手に餓えてね」
「渇いてろってなるわね」
「そんな人がなるって思ったら」
「感謝もしないしよくなることもない」
「そんなのだとね」
「お布施なんてね」
「したくなくなるわね」
「どうせお布施するなら」 
 それならというのだ。
「他の人達にしたくなるわね」
「お地蔵さんにお供えしたら」
 そうするとどうなるかという話もした。
「賽の河原の子供よね」
「そうそう、石積んでるね」
「その子供達が助かるから」
「親御さんより早く死んだだけの」
「そうした子供達が救われるから」
 だからだというのだ。
「しようと思うけれど」
「それでもね」
「恩知らずで感謝しないでふんぞり返ってるだけで」
「図々しくて恥も知らなそうな人がなるって思ったら」
「防餓鬼はしたくなくなるわね」
「どうもね」
 こうした話をした、五人は吸血鬼やそれに値する存在の話から餓鬼の話もした、そして餓鬼について運動会の中でさらに思うのだった。


第百三十一話   完


                 2024・4・23 
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