夢幻水滸伝
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第三百五十三話 中央から八方へその五
「まとまって確かな対処もです」
「出来へんな」
「大規模な災害が起こったり巨人が出ましても」
「それは厄介やな」
「ですから」
そうした状況だからだというのだ。
「宜しければ」
「旗揚げしてやな」
「治めてくれますか」
「そして統一をやな」
「そうしてくれますか」
「少し考えさせてくれへんか?」
ガーランドは重役、スリックの中年男の申し出を受けてだった。実際に考える顔になって言葉を返した。
「ここは」
「はい、では決断を下されたら」
「その時はやな」
「市役所に来られて」
そうしてとだ、重役はガーランドに言葉を返した。
「そしてです」
「そのうえでやな」
「市長にお返事をお願いします」
「ほなな」
ガーランドは今はこう返すだけだった、だがオクラホマシチーの冒険者ギルドで冒険者やギルドの職員達からこの世界のオクラホマ州の状況を聞いてだ。
それぞれの街や村に分かれて衝突や災厄に充分な対処が出来ず多くの民が困っている状況を理解してだった。
そのうえでだ、彼は決断を下して市長に旗揚げを約束した。すると。
すぐにオクラホマシチーとその周辺の十以上の街や村がだった。
彼の勢力に収まった、彼はその状況を見て秘書に採用したたまたまその時無職だった若いンヤダクの男に言った。
「いや、州の中心部にな」
「一つの勢力が出来ましたね」
「おらっちが旗揚げしたらな」
「そうですね」
「しかもや、考えてみたらな」
ガーランドは市役所の中に置かれた自身の執務室の自分の席から言った。
「おらっちこの世界で家なかったわ」
「旗揚げされるまでは」
「それで宿屋暮らしやったわ」
「まさに冒険者ですね」
「そやった、しかしな」
その状況がというのだ。
「旗揚げでな」
「変わりましたね」
「お家用意してもらったわ」
「それは何よりですね」
「かつての知事さんの官邸をな」
そこをというのだ。
「用意してもらったわ」
「そうなりましたね」
「いや、よかったわ」
「そうですね、私もです」
秘書は笑って話した。
「助かりました」
「仕事が得られてやな」
「丁度仕事の契約が切れまして」
「無職になってたな」
「その時にです」
「おらっちの求人見てやな」
「それで応募しまして」
そうしてというのだ。
「採用して頂いて」
「そうやな」
「はい、ただ」
「ただ?」
「秘書というお仕事は忙しいですね」
ガーランドのスケジュールの確認をしつつ言った。
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