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八条学園騒動記

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第七百五十六話 無法地帯だとその五

「法律もだ」
「行き渡ってるわね」
「連合の領土になったからな」 
 だからだというのだ。
「もうな」
「今は連合の法律が適用されて」
「悪い連中も連合の法律でな」 
 正確に言うと領土に組み入れたそれぞれの国の法律である、連合は中央政府の法律と各国それぞれの法律があるのだ。
「裁いた」
「いいことね」
「それで産業もインフラもな」 
 そういったものもというのだ。
「連合のものがだ」
「入って」
「急速に発展していっている」
「それは何よりね」
「ただ外縁部はこれまで鼬ごっこの様に出ていた」
「そうそう、連合の領土が拡大して」
 それでとだ、エイミーが応えた。
「国境が定まったら」
「それと共にな」
「その外にね」 
 国境のというのだ。
「外縁部が出来たわね」
「連合から逃れた奴がいてな」
「常にね」
「それで外縁部を形成してきた」
「そうだったわね」
「そして領土が拡大されるとな」
「外縁部はなくなって」
 そうなってというのだ。
「またね」
「国境の外にだ」
「外縁部が出来て」
 そしてというのだ。
「繰り返されてきたわね」
「千年の間な」
「そうだったわね」
「外縁部にいて罪のない人はな」
「連合市民に戻るかなって」
「犯罪者は裁かれる」
 連合から逃れただ。
「それの繰り返しだった」
「千年の間」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「それがこれからどうなるか」
「また出来るかしら」
「いや、国境警備は厳重になった」  
 これまでよりとだ、ダンはエイミーに話した。
「各国政府軍だけでなくな」
「中央政府軍もする様になって」
「不法出国者もな」
 その彼等もというのだ。
「これまでよりずっとだ」
「出にくくなったのね」
「そうなったからな」
 だからだというのだ。
「もうな」
「大丈夫ね」
「その筈だ」 
 こう言うのだった。
「外縁部もな」
「無法地帯なんているか」
 テンボは吐き捨てる様にして言った。
「法律がないとな」
「駄目だな」
「俺は法律が何よりも大事だと思っている」
「探偵としてか」
「そうだ、法律がないと悪人はどうなるんだ」
「力で裁くしかない」
 ダンは法律なき社会での悪人に対する初段の仕方を述べた。
「もうな」
「そうだな」
「そうするしかだ」
 それこそというのだ。 
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