スーパー戦隊超決戦
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第十九話 最初の決戦その十八
「気付いた」
「そういえばな」
「この人そうだな」
「笑わないわ」
チダもゴリサキもウサダもそれはと頷いた。
「そんなイメージもないわよね」
「もう常にいかめしい顔でな」
「笑わないよな」
「笑うということはな」
それはというのだ。
「もうな」
「しないか?」
「それとも忘れたか」
「どっちかなのね」
「忘れた、人間を否定してだ」
そうしてというのだ。
「人間らしい行動もだ」
「否定してか」
「そうしてか」
「笑わなくなったのね」
「そうなった、笑うだけでなくな」
このことだけでなくというのだ。
「喜怒哀楽自体がな」
「なくなったんだな」
「そういえばあんた感情の起伏ほぼないな」
「いつもそうした調子ね」
「そうなった、だが笑えてだ」
そうしてというのだ。
「喜怒哀楽が蘇ればな」
「いいのね、私達だって笑ってね」
ワゴンはドクターマンに応えて彼に話した。
「喜怒哀楽もあるしね」
「ロボットでもだな」
「そう、表情は変わらなくても」
それでもというのだ。
「笑うことあるのわかるでしょ」
「言葉に出ているからな」
「そうでしょ、だからね」
「私もだな」
「笑えるわよ」
そうなれるというのだ。
「きっとね、だからね」
「私はだな」
「そう、努力してね」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「笑える様になりか」
「喜怒哀楽もね」
「大きくしていくことだな」
「そうしていくといいと思うわ」
「そうだな、もう私は人間を否定していない」
ドクターマンは深く考える顔になってワゴンの言葉に応えた、そうしてさらに考えてから言ったのだった。
「なら人間としてだ」
「笑って」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「喜怒哀楽もな」
「備えていくわね」
「そうしていこう、これからは」
「頑張っていくのね」
「頑張る、努力だな」
それもというのだった。
「それもな」
「忘れていたのね」
「人間のその行動もな」
「そうだったのね」
「人がそれによって素晴らしくなることもな」
こう言うのだった。
「そうだった、しかしな」
「思い出していくのね」
「そうしてやっていこう」
静かに言った、ドクターマンは次第に人間と向かい合う様になっていた。それは今は僅かなものだったが次第に大きくなっていくことを彼はまだ知らなかった。
第十九話 完
2024・4・23
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