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痩せマッチョ

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第二章

「今のランク維持してるんだ」
「それでやってるの」
「通ってる中学でも高校でもボクシング部なくて」
 このこともだ、葛城は話した。
「帰宅部だけれど家に帰ったら」
「毎日トレーニングしてるのね」
「ボクシングのね、今度試合に出るから」
「デビューするの」
「学生生活は続けるけれど」
 それでもというのだ。
「そうするよ」
「そうなのね」
「別に隠していないし」
 家がボクシングジムで自分もボクシングをしていることをだ。
「それで自慢とも思ってないし」
「そうなの」
「誰でも縁があったらね」 
 そうであるならというのだ。
「するよ」
「ボクシングは」
「それで好きだから」
 葛城はこうも言った。
「それで毎日朝と夕方にね」
「トレーニングしてるのね」
「それで今度試合にも出るから」
「そうするのね、頑張ってね」
「有り難う」
 葛城は桜井の応援の言葉に微笑んで応えた、そうしてだった。
 試合に出て勝った、このことはクラスでも話題になったが。
「これからもね」
「ボクシングやるのね」
「だから次の試合までね」
「トレーニングするの」
「それでまたね」
「試合に勝つのね」
「そうしたいよ、引退しても」 
 選手をというのだ。
「それからもね」
「ボクシングはするの」
「するよ」
 まさにというのだ。
「好きだから」
「じゃあずっとお食事も」
「考えていってくよ、だから体格も」 
 一見痩せているそれもというのだ。
「このままでもね」
「いいのね」
「そうかもね」
 笑って言うのだった、そして彼はボクシングをしていった。高校を卒業してからは本格的にはじめ。
 プロでも有名になりだ、日本チャンピオンにもなって引退まで食事を制限しつつトレーニングをしていったが。
 引退しても続けていった、そして同窓会でも言われた。
「相変わらずだな」
「痩せてそれで引き締まってるな」
「痩せマッチョだな」
「変わらないな」
「今もしているからね」
 ボクシングをとだ、笑って言ってだった。
 桜井とも話した、彼女は高校時代よりやや太ってもっと言えば苗字は変わっていた。だがトレーニングを続けている彼の体格はそのままだった。


痩せマッチョ   完


                   2024・6・17 
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