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夢幻水滸伝

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第三百五十二話 テキサス州を統一してその八

「ほんまにね」
「どちらも善も悪もある」
「両方ですね」
「そして裏にある善と悪も見る」
「そうされていますね」
「そうしてるのよ、そうしたらね」
 デリーロはさらに話した。
「よりよく政を出来るからね」
「裏を見られていますか」
「神具まで用いて」
「そうしているわ、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「いい勢力にしていくわよ」
「このテキサス州全体を」
「そうされますね」
 市長もマスターも応えた。
「善政を以て」
「平和で豊かな州にされますね」
「そうするわ、それとね」
 さらに言うのだった。
「そろそろ他の勢力とどうしていくか」
「そのことをですね」
「考えていきますね」
「外交ですね」
「そちらも考えていきますね」
「メキシコと国境を接しているから」
 この国と、というのだ。
「あちらの棟梁ルルフォさんとね」
「お話をされますか」
「そうされますか」
「そしてどうされるかですね」
「あの方と」
「はっきり言って揉めるつもりはないから」
 デリーロはこのことははっきりと言った、頭の中にこの世界のテキサス州とメキシコの地図を出しつつ話した。
「友好条約を結んでね」
「そうしてですか」
「後顧の憂いを断ちますか」
「そうするわ、それで他の勢力ともね」
 二人にさらに話した。
「どうするかよ」
「他の星の方も動いておられますね」
 市長はデリーロに真剣な顔で言ってきた。
「周辺にお二方おられます」
「オクラホマ州のガーランドとニューメキシコ州のオコナーちゃんね」
「左様ですね」
「二人共よお知ってるわ」
 デリーロは市長に答えた。
「起きた世界では仲がええから」
「お友達ですか」
「特にガーランドはね」
 彼はというのだ。
「同じアメリカ人やからね」
「それで、ですか」
「彼はスコットランド系の血が強くてあたしはメキシコ系やけど」
 民族的と言っていい違いがあるというのだ、アメリカは移民の国であり実に多くのルーツを持つ者がいるのだ。
「そういうの関係なくね」
「お付き合いをされていて」
「そうしていてね」
 それでというのだ。
「仲がええわ、起きた世界では今もよく話してるわ」
「ではこちらの世界のことも」
「お互いに話をしてるわ」
「そうですか」
「情報交換もしてるわ」
 こちらの世界のというのだ。
「そうしてるわ」
「では特に争うことは」
「ないとね」
 その様にというのだ。
「考えてええと思うわ」
「それは何よりです」
 争うことがないと聞いてだ、市長はほっとした顔になって述べた。 
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