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夢幻水滸伝

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第三百五十二話 テキサス州を統一してその二

「わかっているわ」
「左様ですね」
「そやからね」 
 市長にさらに話した。
「あたしも戦ってね」
「州を掌握されますね」
 マスターも言ってきた。
「そうされますね」
「ええ」
 まさにというのだった。
「それはもうね」
「覚悟のうえですね」
「そうよ、ただね」
 それでもとだ、デリーロは話した。
「降ればそれでよしで何度かね」
「降る様にですね」
「言うわ」
 州内の街や村にというのだ。
「そうするわ」
「そうですか」
「そしてね」
「何度言っても降らないなら」
「攻めるわ、尚武でもね」
 そうした精神風土の州でもというのだ。
「話し合いを前提にするけれど」
「どうしてもというのなら」
「その尚武に添ってですね」
「我々も戦いますね」
「そうしますね」
「そうするわ、ただ略奪暴行は厳禁で」 
 デリーロはそうした行為は禁じた。
「そして一般市民や民間施設にもね」
「攻撃を加えない」
「絶対に」
「そうするのですね」
「規律を徹底させるのですね」
「軍隊は力があるわ」 
 マスターと市長に強い声で答えた。
「武力という絶大な力がね」
「その武力を備えるなら」
「規律を重んじることですね」
「法に基づいてね、ただね」
 それでもというのだった。
「ここで法や理性を忘れたら」
「武力でなくなります」
 市長はきっぱりと答えた。
「その時点で」
「暴力になるわね」
「左様ですね」
「暴力は戦う力を持たない相手をいたぶるだけの力よ」 
 これ以上はないまでに軽蔑を込めた言葉だった。
「所詮ね」
「所詮ですね」
「下らないものよ、だからね」 
 そうした力だからだというのだ。
「あたしとしてはね」
「暴力は用いられないですか」
「その通りよ」
 マスターにまさにという口調で答えた。
「あたいはね」
「そうされますね」
「暴力は一般市民にも向かうわ」
「法や理性に基づいていないので」
「感情や欲望に基づくものだから」
 そうした力だからというのだ。 
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