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金木犀の許嫁

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第二十二話 里帰りの準備その五

「腐らせる様なものです」
「お金は腐らなくとも」
「持っているだけではです」 
 それではというのだ。
「お金も回りませんし」
「お金が回って経済が動きますね」
「ですから消費はです」 
 これはというのだ。
「資本主義ではです」
「いいことですね」
「はい、ですから」
「貯金はいいことでも」
「使うべき時にです」
「使うことですね」
「それが今です、ではお土産については」
 これはというと。
「私がお金を出させてもらって」
「お菓子を買ってくれて」
「ケーキをです」
 こちらのお菓子をというのだ。
「今は考えています」
「お父さんとお母さんが好きだから」
「そう聞きましたので」
 それ故にというのだ。
「そちらを」
「わかりました」
「そうですね」
「いや、ケーキ本当にです」
「ご両親お好きなのですね」
「二人共」 
 こう言うのだった。
「そうなんですよ」
「お酒は」
「飲みます」
 返答は一言だった。
「お父さんもお母さんも」
「そうなのですか」
「ですが」
 夜空はそれでもと言った。
「日本酒の時よりもです」
「他のお酒ですか」
「ワインもよく飲みますので」
「ワインなら」 
 幸雄はそれならと答えた。
「確かにです」
「ケーキにもですね」
「合います」
 こう夜空に答えた。
「確かに」
「それでワインを飲みながら」
「ケーキもですか」
「よく楽しんでいます」
「それならいいですね」わ
 幸雄は微笑んで答えた。
「尚更」
「そうですね」
「では」
 幸雄は夜空の話を聞いてさらに言った。
「ワインもです」
「お土産にですか」
「はい」
 こちらもというのだ。
「考えています」
「そうですか」
「ケーキにです」
 これに加えてというのだ。
「ワインを」
「お土産にですか」
「どうでしょうか」
「そこまでは」
 夜空は遠慮して言った。 
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