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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

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月方 劾 大決心!夜空に咲け、蒼穹の花束!!

「うい~す」
「おっ、いらっしゃい。ってか相変わらず時間ピッタリに来やがるな。
原子時計みたいなのが身体に内蔵されてんのか?」
「しらねぇよ。俺は何時も通りにのんびり来てるだけだ」
「それでピッタリこれるお前がこえぇよ」

そんな会話をする2人、その2人とは魔法戦士と名高い霧雨 閃輝と人里で料理店を営んでいる一流の料理人。次元者 月方 劾である、そして2人が居るのは劾が経営している料理店『夢実華』である。劾はキッチンがある調理スペースに立ち、閃輝は客が座る椅子に腰掛けている。閃輝は劾に出された水を少し口に含んでから口を開いた。

「んで何で俺を呼んだんだ?相談があるって言うからこんな朝早く来たんだが」

閃輝は窓から外を見ながらぼやいた。そう現在の時刻は早朝の5時。閃輝も本来はまだ寝ている時間だ、だが劾に相談があると持ちかけられ、早起きして夢実華にやってきたのだ

「じ、実はよ・・・そのぉ・・・」

劾は何か言いたそうにするが、口ごもってしまい話そうとしない。閃輝はその態度に若干イライラし始める

「ああもうじれってぇな!!言いたい事があるならさっさと言いやがれ!!!」
「は、はいぃい!実は慧音に告白しようと思ってるだ!だからその手伝いをしてくれ!!」

劾は大きな声で言った、その言葉に閃輝はポカンっとしてしまう。口が開きっぱなしになり、目はパチクリとしている。

「は・・・?なぁぁああああにぃぃぃいいいいい!!!!!????」
「ちょ!?声がでかい!!ったく・・・空間を弄って声が漏れないようにしてて良かったぜ・・・」
「す、すまねぇ・・・でも遂にか!!いやぁ良かったよかった!これでお前らのじれったい姿を見なくてすむな」
「喜ぶのそこかよ!!?」

閃輝は腕を大きく広げて、手を叩いて笑っている。劾はそんな閃輝を見て若干疲れたように呆れている。笑っている理由が理由だからである。

「話は解ったが、どんな風にプロポーズするつもりなんだ?」
「プロポーズって・・・唯の告白だっての・・・今日、慧音が寺子屋の仕事が終わってから、散歩に誘ってそこで話をしてから、花束と一緒に告白するんだ・・・」

劾は頬を染めながら、考えている事を話す。赤くなって入るがその顔には、強い決心が宿っているのが解る。閃輝は劾の話を聞きながら、思考を巡らせる

「ふ~ん・・・今日は確か、慧音先生は結構遅くまで寺子屋に居るって、シャルロットが言ってたな。そうかそうか、いいんじゃないか?でもなんで俺に聞かせたんだ?」

水を飲みながら閃輝は劾に尋ねる

「やっぱり不安で恐いんだよ・・・俺さ本当に慧音の事が大好きなんだよ。もう狂っちゃうくらい。
そんな愛しい人に一世一代の告白をするんだぜ・・・?誰かに聞いて欲しかったんだよ。なんか緊張と不安で押し潰されそうだったんだよ。だからお前にこうして言えてすんごいスッキリしたよ。ありがと、親友」

そう言って劾は手を差し出す、閃輝はそれを見て、笑ってから手を取って強く握る。劾もそれに答えるように強く強く握り返す。

「ふっ・・・結婚式にはちゃんと呼べよ、親友?」
「当たり前だ、一番最初に招待状贈ってやるよ大親友」

そして二人は手を離した。閃輝は扉を開けて、身体を半分外に出した。

「んじゃ俺は家に帰って寝るわ」
「おう、悪かったなこんな朝早く来てもらって」

閃輝は欠伸を欠きながら扉を閉めて、そのまま去っていった。一人になった劾は深呼吸をして、朝食を作り始めた。

そして、何時も通りに店を開けて仕事に励み、何時もより少し早く店を閉めて、服装を整えてから寺子屋に向かった。能力を使って花束を収納空間にしまって準備は万端。寺子屋近くに着くと心拍数が跳ね上がり心臓がバクバクいっているのが、劾の精神を揺さぶる

「落ち着くんだ・・・俺・・・」

劾は一旦足を止めて、身体を伸ばしながら大きく深呼吸をした。すると先程まで荒ぶっていた心臓がだいぶ落ち着いたのか、劾は足を進め直した。すると劾の前に荷物を持った慧音が寺子屋から出てきた。劾と慧音は真正面から見詰め合うような形で出会った

「「あっ・・・」」

2人はほぼ同時に顔を赤くし、視線をお互いからずらした。劾は今直ぐにも逃げ出したいよう気持ちを抑えながら勇気を出して、口を開いた

「あ、あの!!」「あ、あの!!」
「さ、先にどうぞ!!」「さ、先にどうぞ!!」
「嫌々!そっちから!!」「嫌々!そっちから!!」

本当にこの2人は何がしたいのだろうか。2人は全く同じタイミングで、同じ言葉を口にしている。
そして、2人は更に顔を赤くするが劾は、切り出した

「な、なぁ慧音。時間あるかい・・・?///」
「あ、あるが・・・何があるのか・・・?」
「あ、ああ・・・ちょっと話があるんだ・・・」
「わ、解った・・・」

2人は共に歩き始めた。その間も2人は黙りっぱなしだった、互いに異常なほど緊張していて、何を喋って良いのか解らない様だ。2人は足を進め続け、そして人里の空き地へとやってきた。二人は空き地の中心部で向き合うように立っている。


「・・・」「・・・」

沈黙がその場を支配するが、劾はズボンのポケットに入れてある物をギュッと握り締めて言葉を搾り出した。

「・・・ぉ、俺と慧音が初めて会ったのが此処だったよな」
「そ、そうだったよな。あの時は本当に驚いたぞ、外来人が人里の中にいきなり現れるのだからな。
その時の私は、焦って急いで家に連れて行って、闇夜を連れて来たんだったか」
「そうそう、それで俺は閃輝に再会して、名前を慧音から貰ったんだよな。月方 劾。慧音の変身のキーでもある月を苗字にしてくれたんだよな」

二人は昔話をしていくうちに緊張がほぐれていったのか、どんどん昔話に華を咲かせていく。そして二人は笑みを浮かべ続けて、話し続けていた。そして、劾はポケットに入っている物を握って、覚悟を決めた。

「慧音、話があるって言ったよな?」
「そうだったな、昔話に夢中になってしまっていたな」

劾は収納空間から蒼い薔薇の花束を取り出して、膝を付いて慧音に差し出した。慧音はえ?っと混乱したような顔になってしまう

「慧音、俺は貴方が好きだ。俺は貴方がいないと生きていけない、だから慧音。俺と付き合ってください」
「え!?へ!?な!?ちょ、ちょっと待ってくれ劾!!!ええええ!!!??」

慧音は完全に混乱してしまい、何がどうしてこんな状況になったのか全く理解出来ないようだ。劾は唯、ずっと慧音を見つめ続けている。その瞳を見て慧音は顔を赤くしながら、恥ずかしる様に顔に手をやりながら劾に問いかけた

「わ、私は・・・半獣なんだぞ・・・?人間ではない」
「それでも構わない」
「そ、それに以前変身した時にお前に大きな迷惑をかけてしまったし・・・」
「あれはあれで慧音の魅力をまた一つ知れたよ」
「そ、それに・・・」

慧音は必死に自分の駄目と思っている部分を次々とあげて、劾を諦めさせようとするが、劾はその部分を含めて慧音を好きだという。慧音は遂に涙を流し始めた

「そ、それに・・・ヒック・・・本当に私なんかで良いのか・・・?」
「貴方じゃないと駄目なんだ」
「他にも良い女なんて幾らでも・・・グスッ」
「貴方より魅力的な女性なんて俺には考えられません」
「ほ、本当に私で良いのか・・・?」
「貴方じゃないと駄目だ」

慧音は涙ながら花束を受け取った。そして

「私なんかで良ければ・・・これから宜しくお願いします・・・」
「では、さっき俺が言葉を訂正させてください」

劾は立ち上がりながら、ポケットの中に入っている物を取り出した。それは小さな箱で、劾はその箱を開けると・・・そこには大きめのダイヤモンドが付いてる指輪だった

「俺は貴方を、上白沢 慧音を愛しています。結婚してください」
「!!」

その瞬間、慧音は劾に飛びつくように抱きついた。劾は指輪を落とさないように慧音を受け止めた。

「劾・・・嬉しい・・・私も貴方を愛してるよ・・・」
「慧音・・・」

慧音は涙を流しながら嬉しそうに笑っていた。劾も笑った。そして2人は見つめあい・・・そのまま
2人の顔の距離はゼロとなり、唇を重ねた。 
 

 
後書き
ゆ「さあ、ハイパー次回予告タイムだよ!
異変が解決したことが毎度開かれる宴会が今回も開かれる!
闇夜の傷も癒えて、覇狼や劾なども参加し、大宴会へ!!
だが覇狼には、長年嫌い続けている相手からの誘うが来る。
覇狼はそれをどうするのか!!?」

紫「次回、IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

大宴会 皆で祝え!異変後のお楽しみ!前編

私は闇夜の所へ行ってくるわ」

ゆ「誘惑でもしに行くの?」

紫「失礼ね。お見舞いよ」 
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