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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその九

「現に動いてそしてだな」
「はい、変えました」
「アウトカースト層の社会と政府をマウリアに入れられました」
「それも副主席尚且つ次の国家主席の座に就かれ」
「そのうえで」
「私なら何時でもそれが出来る」 
 自分の資質ならというのだ。
「まさにな」
「左様ですね」
「そしてですね」
「これから革命を進める」
「そうされますね」
「まさにな、今も進めているが」
 それでもというのだ。
「私が主席になればな」
「まさにですね」
「その時こそですね」
「革命が本格的にはじまる時ですね」
「そうだ、ただ私は政治的な暴挙も粛清も興味はない」
 そうしたものは一切というのだ。
「ジャコバン派や共産党とは違う」
「彼等は血も欲していました」
「少しでも反対すると見たら粛清でした」
「そうしていました」
「ですが副主席は」
「言いたい者は言えばいい」
 ジャバル自身に対してというのだ。
「私に匹敵することが出来るならな」
「ですがそれは無理ですね」
「副主席の様に出来ることは」
「それは」
「カエサルは政敵はそのままにした」
 スッラは躊躇なく殺した、だがカエサルは放置した。
「そして政敵達の歴史的評価はどうか」
「小者か道化です」
「実際カエサルの前ではそうとしか見えませんでした」
「あまりにも能力が違い」
「とても相手にはなりませんでした」
「彼等もそれなりの資質があった筈だ」
 カエサルの政敵達もというのだ。
「しかしカエサルはあまりにも大き過ぎた」
「そうでしたね、あまりにも巨大でした」
「だからこそローマを変えられました」
「共和制から帝制に」
「それが出来ました」
 当時のローマの政治システムでは広大になりかつ多様になったローマを治めきれなくなっていた、そこでカエサルはローマを造り替えたのである。
「そこまでの人物でした」
「そのカエサルを前にしては」
「そこそこでは」
「小者になる、そして私はカエサルどころではない」
 この英雄ですらというのだ。
「遥かにだ」
「凌駕されていますね」
「あの英雄ですら」
「だからですね」
「今の人類社会で私に対することが出来るのは四人しかいない」
 ジャバルは言い切った。
「一人はエウロパのギルフォード総統だ」
「あの御仁ですね」
「何といっても」
「副主席程の方は」
「そして連合の八条長官か」
 彼もだというのだ。 
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