八条学園騒動記
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第七百五十五話 ドラッグその五
「だから食べるものはな」
「カリーね」
「それになるからな」
こうジャッキーに話した。
「それなら」
「そうよね、まあフォアグラのカリーもね」
「あるか」
「セーラカレーもよく食べるし」
マウリアのカリーだけでなくというのだ。
「連合のね」
「セーラが言うにはあまり違いはないな」
「カリーとカレーはね」
「そう言っているな」
「マウリアからイギリスに入ってだ」
ダンが連合のカレーの歴史を話した。
「イギリスから日本に入ってだ」
「連合全体に広まったな」
「だからな」
そうした歴史があるからだというのだ。
「違うというとな」
「違うか」
「カツカレーは日本からはじまった」
連合全体で食べられていてセーラも好きなこのカレーはというのだ。
「そもそもビーフカレーはな」
「セーラはそのカレーは食べないな」
「絶対にな」
ダンは言い切った。
「セーラはヒンズー教徒だからな」
「それでだな」
「あのカレーは食べない」
ビーフカレー、連合で最もオーソドックスなカレーはというのだ。
「勿論カリーでもだ」
「食べないな」
「牛肉自体をな」
「そこは守るな」
「敬虔なヒンズー教徒だからだ」
そうであるからだというのだ。
「もうな」
「ビーフカレーは食べない」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「ステーキや他の牛肉の料理もな」
「食べないな」
「野菜が多くてな」
これもヒンズー教の教えである。
「そしてカレーもカリーもな」
「野菜のものが多いな」
「だがカツカレーも食べていてな」
そうしていてというのだ。
「そのカツカレーは日本起源だ」
「マウリアのものじゃないな」
「そうだ」
このことを話すのだった。
「カレーが日本に入ってからな」
「日本で独自にか」
「生み出された」
そうなったというのだ。
「まさに日本独自のな」
「カレーだな」
「他にもだ」
ダンはさらに言った。
「シーフードカレーもハンバーグカレーも海老フライカレーもな」
「連合のものか」
「イギリスにあるか」
ダンはテンボに真顔で言った。
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