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夢幻水滸伝

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第三百五十一話 ソーサラーとしてその十四

「普通に高攻落ちて滑り止めに通って卒業したらまともに働かなくて」
「それで威張っている」
「そうした方もご存知ですか」
「ええ、図々しくて尊大でね」 
 その人柄はというのだ。
「無神経で思いやりがなくて資格も特技も何もなしよ」
「ではお金もなし」
「地位もなし」
「まさに何もなしですね」
「あるのはプライドだけでね」
 そうであってというのだ。
「自分はこの世で一番偉いと思っている手合いもいるわ」
「何処が偉いのでしょうか」
「聞いていてわかりません」
「そう思える要素が全くないですが」
「鹿もこの世で一番とは」
「それがそう思っているのよ」
 その輩はというのだ。
「生きていて誰かの為に何かをしたこともなくて文句ばかりだけれど」
「総帥さんと全く違いますね」
「まさに真逆ですね」
「ええ、総帥さんはお手本でね」
 そうであってというのだ。
「その人は反面教師よ」
「そうですか」
「そのお二人をそれぞれ見てですね」
「そのうえでご自身を偉いと思われない」
「そうなのですね」
「そうよ、人は両方見ることね」
 デリーロは考える顔で話した。
「お手本と反面教師をね」
「双方を見て自分を正す」
「いい人を見て目指し」
「悪い人を見てそうはなるまいと慎む」
「そうすることですね」
「そうすべきですね」
「そうしないとね」
 デリーロは強い声で話した。
「駄目と思っているわ、それでこの世界でもね」
「かなりの力をお持ちでも」
「それでもですね」
「驕ることなく」
「慎んでいかれますね」
「そうしていくわ、そして」
 そのうえでというのだった。
「内政もしていくわ」
「かなり整ってきました」
「産業の基盤が出来てきて」
「インフラも向上し」
「治安も改善しました」
「そして軍隊もよくなってきました」
「いい感じね、それならね」
 是非にと言うのだった。
「そろそろ本格的によ」
「勢力拡大ですか」
「そちらに移られますか」
「そうされますか」
「ええ、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「この国をよくしていくわ」
「わかりました」
「それではです」
「そうしていきましょう」
「勢力を拡大するにもね」
 それにもというのだ。
「やっぱり土台が必要と思うから」
「まずはですね」
「内政に専念されましたね」
「勢力の力の充実に」
「そうしたのよ、自分達から降ってきた街や村は受け入れたけれど」 
 それでもというのだ。
「自分から進んで攻めなかったわね」
「はい、全く」
「戦をされませんでした」
「確かに」
「それはよ」 
 まさにというのだ。 
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