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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその四

「人間とは認められるな」
「ですね、幾ら使役されていても」
「人間ではあります」
「ですが我々は」
「その人間とすらですね」
「だからマウリアの法から除外されていたのだ」
 人間でないとみなされていたからだというのだ。
「そこまでの扱いだった」
「人間ならば法律は適用されない」
「そうなりますね」
「カーストの中にないので」
「それ故に」
「そうだった、そうなると我々は奴隷以下になる」 
 俗に人間として最低の立場より下だというのだ。
「だがその我々でもな」
「人間であり」
「そして貴族のすることでもですね」
「学びますね」
「そうしますね」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「我々を高めるのだ」
「マウリアの中心に立つ」
「マウリアを動かす様になりますね」
「まさにハリジャンとなりますね」
「その意味でも」
「真の意味でな、ハリジャンなら」
 祝福された者達ならというのだ。
「この国を動かすべきだ」
「そうですね、ではですね」
「我々はですね」
「自分達の地位を今以上に高める」
「そうしていきますね」
「私は革命を目指している」
 ジャバルは周りつまり自分と同じアウトカースト層の者達に話した、彼等が皆自分と同じ同志であり同胞であるからだ。
「アウトカーストのそれをな」
「これまで虐げられていましたが」
「それを一変させる」
「逆にマウリアを支配し動かす」
「その者達になりますね」
「第三身分という言葉がある」
 ジャバルは今度はこの言葉を出した。
「そうだな」
「はい、フランス革命ですね」
「その時の言葉ですね」
「僧侶、貴族の二つの支配階級に対して」
「農民や手工業者それに商人でしたね」
「所謂平民達ですね」
「彼等は虐げられているとされた」
 フランス革命の時にだ。
「そしてそこから革命を起こしてだ」
「支配構造をひっくり返し」
「そして自分達がフランスを動かす様になった」
「そうなりましたね」
「史実はそうはすんなりいかなかったがな」 
 そこからフランスは革命の後に第一帝政そして王政に第二帝政を経て共和政に移った。そこでようやく第三身分の望む様になったとされるというのだ。 
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